煤(すす)

「煤」とは「物が燃える煙の中にある黒い『炭素』の微粒子」です。火事が起こると家や部屋が「煤だらけ」と言いますし、車のエンジンオイルをまめに交換しないと中に「煤が溜まる」という状態になります。このような形で「煤」を日常的に使いますが、そんな「煤」とは具体的にはどのような意味があるのか調べてみました。

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煤の意味とは

「煤」の意味は以下の通りとなります。
 (1)物が燃える際に煙と出る黒い炭素の微粒子である黒粉。また、その微粒子・炭素が煙突などに付着したもの。
 (2)有機物が不完全燃焼で生じる炭素の微粒子や黒い埃の事。
 (3)薄い墨色な「煤色」の略語。
「煤」は物が燃える際に生じる炭素の微粒子で、物が燃えるとミネラルである白い灰の「燃えカス」が残り、上空などには黒い粉である炭素の塊が舞ったり煙突などに付着します。この「煤」は燃える際に酸素が足りないと不完全燃焼を起こして煙が多くなって、その中に炭素の微粒子として含まれているので、例えば飲食店厨房の天井や昔の家の囲炉裏や暖炉などで黒くなった汚れとして確認できます。また、物が燃える以外にも植物が地中で何十年や何百年と時間をかけた地質作用で変化しても成分的には「煤」になり、この場合はより炭素や化石燃料的な扱いとなります。よって、一概に「煤」と言っても種類によって炭素の含有量は異なり、「泥炭」は50〜60%、植物などの燃料は60〜90%、煙に含まれる「煙煤」は70〜90%、煙がない「無煙煤」は90%以上となり、炭素の占める割合が多いほど燃焼熱が高くなるのでダイオキシンなど有害物質の発生量が減り、結果的には環境に優しい事になります。そして「煤」である「炭素」の英語表記は「carbon」(カーボン)で、昨今何かと企業やメディアが呼び掛けている「脱炭素」の「カーボンニュートラル」とも密接に関わってくるのです。

煤の由来

「煤」は古代中国から伝わったとされますが詳細は不明です。文献としては奈良時代の歴史書「古事記」などに文言が記されています。

煤の文章・例文

例文1.最近の石炭火力は環境対策の処理設備に力を入れているので、大気中には綺麗な煙が放出される事から煤の量も昔とは比べものにならないぐらい減少している。
例文2.親父の寝タバコで半焼した我が家を元通りにしようと、家族総出で煤まみれになりながら掃除をしていたら、あれだけ不仲だった家族の絆がまたひとつになった。
例文3.リビングで焼肉ばかりを焼いていたので天井は煤で真っ黒になってしまい、体重も右肩上がりで増加して出来る事なら煤がまったく無かった新築の昔に戻りたい。
例文4.コンビナートの煙突から煤だらけな煙が毎日夜中でも排出され、近隣の飲み屋街は疲れ切った肉体労働の作業員の憩いの場となっている。
例文5.近場しか乗らないのに調子に乗ってディーゼルの中古をディーラーで購入してから2年が経過したら、どうにもマフラーが真っ黒で気になり、知り合いの整備工場に見せたら「これは煤だね」と笑われ、取り合えずはエンジンオイルを交換したが、ディーラーの営業マンは事前にアドバイスしてくれと憤った。
「煤」を使った例文となります。

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煤の会話例

  • 質問者アイコン

    うーん。やっぱりガスレンジを新しく買い替えようか?

  • 回答者アイコン

    まだ使えるよ。

  • 質問者アイコン

    そうだけど、コンロが煤だらけで汚れているし…。ほら、魚のグリルなんてもっと汚いじゃん。

  • 回答者アイコン

    それなら掃除しなさいよ。だいたい、新品に買い替えるのも私がお金を支払うんだからね。

「煤」で汚れたガスレンジを処分するかどうかという会話内容です。

煤の類義語

「煤」の類義語には「黒煙」「煙」「白煙」「狼煙」「油煙」「排煙」「カーボン」「石墨」「石炭」「原油」などの言葉が挙げられます。

煤の対義語

「煤」を「炭素」から「炭」とするなら対義語は「氷」になります。また「黒煙」の対義語は「白煙」、「炭」の対義語は「荒炭」になります。

煤まとめ

物が燃えて煙と一緒に排出される炭素の微粒子が「煤」です。一般的にはガスレンジやなべ底などに付着する黒い汚れのようなものが「煤」になり、有機物が不完全燃焼で生じる炭素となります。よって「煤」=「炭素」となる事から地球温暖化や環境破壊といった問題対策への一貫として、「煤」を日々の生活から減らすように取り組むのも大事になってきます。

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