ヘゲモニー(Hegemony)

「ヘゲモニー」とは「他国を実質的に支配する権力である覇権や主導権」です。一般的には「覇権」と聞くとスポーツの優勝や勝者や経済のハイテク技術などを想像すると思いますが、これが本来は同じ意味の「ヘゲモニー」になるともう少し国際政治色が強くなりアメリカや中国の大国同士の争いが意識されます。もちろん、他にも欧米各国の戦争歴史であったりアフリカ大国の支配と植民地化、日本の東南アジア侵攻なども「ヘゲモニー」と関連させられます。

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ヘゲモニーの意味とは

「ヘゲモニー」の意味は以下の通りとなります。
 (1)政治的や経済的や軍事的に抜き出た国家が他国を支配する「覇権」の事。
 (2)イタリアの政治学者が提唱した国同士の関係性の概念で、主導権を握る側が合意によって相手国を支配する事。
「ヘゲモニー」は英語表記「hegemony」、ドイツ語表記「hegemonie」で、日本では「覇権」の事です。これを簡単に言えば強国が他国を支配する事で、その条件として政治や経済や軍事が相手国よりも抜きん出ている必要があります。元々は古代ギリシアがルーツとされ、その後はイタリアの政治学者・アントニオ・グラムシが1920年頃から提唱した概念で、相手国を実質的に牛耳る「支配」には強制と合意があり、「合意支配」が「ヘゲモニー」となります。合意によるので軍事支配ではなく相手国を尊重しているとして、支配的な立場や主導権を握っているに留まるのが「ヘゲモニー」であり「覇権」となります。具体的にはイギリスやフランスやアメリカなどが19世紀のアフリカ大陸を植民地として支配していたのが「ヘゲモニー」で、経済や軍事で優れる欧米各国が力を誇示して一方的に主導権を握ったのです。その後は欧米各国はアフリカの独立を認め植民地解放となり、「ヘゲモニー」は経済的な側面で使われる事が多くなります。これはアメリカという巨大大国が隆盛を極め「覇権」を築き、かつての軍事大国ロシアや経済大国になりつつある中国が対抗をしていますが、アメリカを頂点とする方が安定しているので覆すのは困難となっています。よって、「ヘゲモニー」とされる「覇権国家」はアメリカだけとも受け取れるが、国際社会は混乱する世の中を拒否するのでこのアメリカ一強時代が継続するのです。

ヘゲモニーの由来

「ヘゲモニー」の由来は古代ギリシアの都市国家「ポリス」が他の「ポリス」を政治や軍事的に支配して優位な国になる「ヘゲモン」です。

ヘゲモニーの文章・例文

例文1.日本はアメリカというヘゲモニー国家の下になったのが不幸中の幸いであり、これがロシアや中国傘下ならもしかしたら北朝鮮のような道を辿っていたのかも知れない。
例文2.先進国はどこも経済大国を目指して四苦八苦しているが、結局のところは経済でヘゲモニーを握るのは不可能に近くそれならアメリカの属国扱いでいる方が楽であり賢い選択だ。
例文3.ロシアはこのままウクライナ侵攻を続けても終わらせても地獄が待っていて、もう二度とヘゲモニー国家を名乗るのは許されない。
例文4.昨今のSDGsは極論とすればヘゲモニーに逆行する事なので、それが今一つどの国も本気で向き合わない理由ではないのか。
例文5.もしかしたらカルトが日本を内側から支配し、ヘゲモニーする可能性があったとするとそれは恐ろしい事だ。
「ヘゲモニー」を使った例文となります。

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ヘゲモニーの会話例

  • 質問者アイコン

    今の日本は元気がないけど、昔は勢い盛んで力が漲っていた時代もあったんだよね。

  • 回答者アイコン

    知ってる。バブルの頃でしょう?

  • 質問者アイコン

    バブル時代もだけど、東南アジアに侵攻した1940年前後はそれこそ世界のヘゲモニー国家となるのを本気で目指し、国民も夢見ていたと思うよ。

  • 回答者アイコン

    ふーん、そうなんだ。今は「平和ボケしている」って揶揄される日本にもそんな攻撃的な時代があったんだ。

日本のアジア侵略戦争時代について会話をしています。

ヘゲモニーの類義語

「ヘゲモニー」の類義語には、「覇権主義」「主導権」「イニシアチブ」「リーダー」「キャスチングボート」「全権支配」「独裁」などの言葉が挙げられます。

ヘゲモニーの対義語

「ヘゲモニー」の対義語には、「王権」「国家権力」「統治権」「独立」「独立国家」などの言葉が挙げられます。

ヘゲモニーまとめ

「ヘゲモニー」は「覇権」という意味ですがスポーツ競技の優勝者を称えるというよりも、政治・経済・軍事の力で他国を支配する力となります。支配者と被支配者であり優位に立つ方と虐げられる劣位の関係性で、第二次世界大戦後はアメリカという超大国が唯一の「ヘゲモニー」として君臨し先進国が脇を固めていますが、近年は中国が経済大国に急成長を遂げロシアが軍事行動を開始するなど覇権を巡って再び新しい火種が巻き起こり始めました。

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