風来坊(ふうらいぼう)

「風来坊」とは「身元知らずで、どこからかやってきた怪しい感じの人(男性)の事」です。云わば、住所不定で何をしているか分からない、そして定住先を決めないで気の向くままに全国を放浪する様な生き方をしている事です。この様に説明すると怪しさ満点ですが、一方で他人や社会に干渉されずに好きに生きる点などは男のロマンを感じさせますよね。アウトローアウトサイダーとして、どこか背中が孤独にも見える「風来坊」の解説となります。

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風来坊の意味とは

「風来坊」の意味は以下の通りとなります。
(1)どこからともなくやってくる人。
(2)身元知らずで一つの場所に留まらない人。
(3)定住しない人や変わり者などの男性に対する呼び名。
”風来”は「風に吹き寄せられたようにどこからかやって来た人」「住所不定で落ち着かない」「気まぐれ」「役に立たない」、”坊”は「僧侶」「坊主」「部屋」「家」「男子を親しんで呼ぶ」「他人が親しみやあざけりを表す」となり、「風来坊」は良く言えば気まぐれな男性、悪く言うなら住所不定で社会から逸脱した男性といったところです。しかしこれでは、あまりにも「風来坊」が誤解されるので、より正しい姿を深掘りすると、往年の昭映画「男はつらいよ」の主人公・寅さんの生き様などは典型的な「風来坊」となります。風来坊の意味を直訳の様に現代に当て嵌めてると、かなり怪しくて警察に通報したくなる不審者ですが、実際のニュアンスとしては昭の時代などはこの様なタイプは実は一定数存在したのです。アメリカで喩えるならボヘミアンやヒッピーに近く、一か所に留まるよりもその日暮らしで仕事はその土地で肉体労働的な事をする。そして数カ月なり時間が経過すれば、また別の地にふらっと旅行の様に流れていくのです。これはあまり厳しくなかった昔だから出来た生き方でもありますが、現代でもネット環境によって疑似風来坊の様な生き方を選択している人も多くなっています。漫画喫茶やシェアハウス、或いはマンスリーマンションなどを短期間利用して、飽きたら他の地に行くのは現代版の「風来坊」と言えるでしょう。また、実際のところは定住するよりもお金が掛かる場合もあるので、実はそれなりに収入や貯金を持っている場合も多いです。また、常識や規制などの枠外で生きている感もあるので、才能を秘めていたり文豪や芸術家タイプも若い頃は「風来坊」であったり、御曹司の様に大事に育てられると反動で憧れの生き様に見えてしまう事も多いそうです。堅苦しい現代では、ある種の変わり者やアウトサイダーと扱われる「風来坊」ですが、常識に縛られない冒険主義や究極のその日暮らしとして、社会がもっと寛容になるべきではないでしょうか。

風来坊の由来

「風来坊」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、日本を代表する小説家・夏目漱石の「吾輩は猫である」(1905~06年)などに文言が記されています。

風来坊の文章・例文

例文1.両親が風来坊だったので、子供の頃は各地を転々としたが今では良い思い出である。
例文2.人生を順調に生きるエリートよりも、風来坊で根無し草のような生き方をした人と会話をした方が絶対に面白く共感できる。
例文3.彼は風来坊なので、今後も結婚をする気はないそうだ。
例文4.チームを毎年移籍するので、風来坊のストライカーと呼ばれる点取り屋がカップ戦の決勝で逆転ゴールを決めた。
例文5.髪と髭を伸ばしっぱなしで久しぶりに実家に帰ったら、母から風来坊と呼ばれ邪険にされた。

様々な形での「風来坊」についての例文となります。

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風来坊の会話例

  • 質問者アイコン

    CD一杯あるね。どうしたの?

  • 回答者アイコン

    これはボブディランにグレイトフルデッドでしょう。後はジミヘンとか。全部、近所の図書館から無料で借りてきたの。

  • 質問者アイコン

    なんか全部、ヒッピーというか風来坊が好きそうなアーティストばっかりだね。

  • 回答者アイコン

    そこがいいのよ。答えは、全部風の中にあるのよ。お役所勤めなあなたにはこういう音楽の気持ちが分からないのね。

男女2人が60年代の洋楽について会話をしています。

風来坊の類義語

「風来坊」の類義語には、「風来人」「風来者」などの言葉が挙げられます。

風来坊まとめ

「風来坊」は風のようにどこからかやってきて気が付いたらいないという、気まぐれな住所不定な男性に対する呼び名です。怪しい男という感もありますが、それよりも社会の縛りや常識に縛られずに自分の人生を自由に謳歌しているとも受け取れます。ですから、枠に嵌まった人ほど「風来坊」を怪しく思い、逆に憧れている人は肯定して捉える所があります。現在はこの様な生き方は歓迎されませんが、ネットが普及した事で仕事スタイルも変化しシェアハウスなど全国各地の安い物件を利用する生活などは、現代版の「風来坊」とも言えるのではないでしょうか。

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