後手に回る(ごてにまわる)

「後手に回る」とは「相手が先行し受け身となる事や遅れを取る事」です。一部スポーツ競技や頭脳戦では「後手」が有利になる事もありますが、大抵では一般的に先攻が有利となります。ですから「先手必勝」という言葉もありますし、「後手」には不利というイメージが付きまとうのです。そんな不利と分かっていても、人々の深層心理としては自然と「後手」を選んでしまう事も多いのが本音ではないでしょうか。それでは「後手に回る」の解説に入らせて頂きます。

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後手に回るの意味とは

「後手に回る」の意味は以下の通りとなります。
(1)相手の出方を受けてから対応する立場になる事。
(2)他に先を越されて受け身の立場になる事。
(3)問題やトラブルが起こってから対処するやり方。
(4)「後手後手」「後手後手になる」「後手」「後手になる」も同義。
”後手”は「先に越される」「相手に攻められて受け身となる」「囲碁や将棋用語で先手の後に始める事」、”回る”は「円を描く」「回転」「場所を巡る」「物事が順に移る」「異なる立場に変わる」「動く」「滞りなく進む」などで、物事が上手くいかない時や消極的な姿勢から相手が先手となり、こちらが受け身となるのが「後手に回る」です。スポーツなどの勝負事から仕事に人間関係と様々な場面で使われる特徴を持つ言葉で、本来は正しいともされる事が多い慎重・我慢・気遣いなどが裏目に出てしまい、結果的には遅れを取ってしまうと解釈もできます。日常生活での些細な出来事なら、相手に譲ってこちらが「後手に回る」のも大人の対応として悪くないですが、真剣勝負など大事な場面で気の迷いや弱さからの躊躇いとして最終判断ができず相手に遅れるのは、こちらのミスであり重大な失態となります。例えば、スポーツなら監督が迷いから選手交代のタイミングが遅くチームが逆転負けしたり、効率良く仕事ができずいつもトラブルが発生してから対処し上司に注意されるなどは典型的な「後手に回っている」からこそ招いたもので、もし状況判断を誤らなければ回避する事が出来たのです。政治や経済などはさらに顕著で、日本の対応はいつも「後手に回る事」があまりにも多く、そのスピード感の無さを指摘されても結局は言葉巧みにかわされてしまいます。国民性といえばそれまでですが、どんなに先手有利とされても、どうしても「後手に回る」と「残り物には福がある」と深層心理で信じ込んでいたり、後は「事なかれ主義」なども関係しているのでしょう。

後手に回るの由来

「後手に回る」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”後手”は奈良時代初期につくられた日本最古の歴史書「古事記」(712年)などに文言が記されています。

後手に回るの文章・例文

例文1.コロナ対策で後手に回っていると政府は批判され、総理が変わると今度は支持率が急上昇するのだから、国民とはどれだけ日見主義な集まりなのだろう。
例文2.総選挙が近付くと各党代表者はまるで世界一優秀な政治家のように熱弁を振るうが、終わってしまえば再び電池が切れたように燃費の悪すぎる痛車に戻って行動は鉛のように重く、対策は全て後手に回る。
例文3.日本代表の試合を観ていると、勝つ事よりも負けない為の試合運びとなっていて、結局は戦術から選手交代まで後手に回り鈍臭い試合を続けている。
例文4.警察は万引き犯を夢中で捕まえるが汚職には及び腰で、検察は政治家の不正に目をつぶり、マスコミは結婚相手には厳しいが皇室批判はタブーで、そして一般市民は増税に文句を言う癖に保守政権に従順で、これらが崩壊すれば後手に回る不満も少なくなるがほぼ不可能だろう。
例文5.国民には一切妥協しないのに、馬鹿な権力者の為には忖度忖度を繰り返して絶対に後手に回る失態はないように、寝る間も惜しんで働く霞が関の優秀な官僚には頭が下がり、内閣の為に働きありがとうと賛辞を贈りたいほどだ。
現在の日本の状況を嫌味のように「後手に回る」を使った例文です。

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後手に回るの会話例

  • 質問者アイコン

    ところでうちって、防災グッズは準備してある?

  • 回答者アイコン

    あなたがこの前、買いに行ったんじゃないの。その時にお金を渡したわよ。

  • 質問者アイコン

    ごめん、ごめん。そうだった。ちゃんと買ってきたはずだよ。多分…。

  • 回答者アイコン

    あなた、またパチンコで使ったんでしょう…。地震とか起きたら怖いから、準備しておいてよ。その時になって後悔しても、後手に回って遅いのよ。

万が一に備えた防災グッズの準備について夫婦の会話となります。

後手に回るの類義語

「後手に回る」の類義語には、「遅れを取る」「先を越される」「遅きに失する」「出遅れ」「二番手」などの言葉が挙げられます。

後手に回るの対義語

「後手に回る」の対義語には、「先手」「最初」「イニシアチブ」「先攻」「主導」「一番」「先手を打つ」などの言葉が挙げられます。

後手に回るまとめ

「後手に回る」は相手に先を越されたり、或いは問題などが発生してから対処するという受け身で対処する事です。先に行動をする先手が絶対に有利とは言いませんが、物事の多くは先手が有利となるケースが多く、消極的な姿勢となる「後手に回る」は状況を先延ばしにしてどんどん悪くなってしまうのです。

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