名誉毀損

名誉毀損は、週刊誌の記事に対して著名人が名誉毀損で訴訟を起こすといったニュースなどでよく聞く言葉です。ここでは、法律用語の名誉毀損を、刑法・民法の両方から説明します。

名誉毀損の意味とは

新聞や雑誌の記事などで、社会的名誉が低下した場合に、名誉毀損として訴えることができます。刑法では名誉毀損罪として230条に、民法では不法行為として709条に条文が制定されています。民法では、毀損した名誉に対する謝罪や損害賠償を求めることができます(民法710条、723条)。
ただし、刑事・民事では解釈が異なる部分があり、刑法では「事実の摘示によって社会的評価を低下させた場合にのみ」名誉毀損となりますが、民法では、事実の適示でなくとも論評などによって社会的評価が下がったと認められた場合にも、名誉毀損となります。また、刑法では故意がなければ名誉毀損となりませんが、民法では、過失であっても不法行為として名誉毀損に該当することになります。

名誉毀損の由来

近代ヨーロッパでは、雑誌や新聞等の出版の拡大と、言論の自由が広がっていきました。近代国家として、生命や身体の安全、財産等の他にも、名誉の保護が必要だとして制定されました。名誉毀損の条文は、個人の名誉を守ることを目的にしています。

名誉毀損の文章・例文

例文1.記事によって名誉が低下したと言われても、これは事実なのだから、名誉棄損の訴えを起こされても当方では動じることはない。
例文2.雑誌にあの時の写真が載ったせいで、仕事がすべてキャンセルになった。名誉毀損で損害賠償を請求する。
例文3.それくらいの報道で名誉毀損だなんて騒いだら、相手の思うツボなんじゃないの?
例文4.当時の私の発言には悪気はなかったんだから、名誉毀損で訴えられるなんて納得いかない。
例文5.死んだ人に対して、あんなことを言うなんて名誉毀損だ。「死人に口なし」みたいに思われてるんだよ。
名誉毀損という法律用語は有名ですが、一般には訴訟まで起こすのは数が少ないと思います。「金銭的なダメージが大きい」「広く世間に悪評が広まった」など被害が大きい場合に裁判が起こるようです。

名誉毀損の類義語

侮辱罪は名誉棄損罪と並んで、刑法の名誉に関する罪の一種です。
刑法では、名誉毀損は構成要件として「事実の適示」が必要ですが、侮辱罪では事実を適示せずとも、公然と人を侮辱した場合に当てはまる罪です。侮辱罪は、社会的信用の毀損より、本人の名誉感情・プライドを保護法益としているとの解釈が多数です。

名誉毀損まとめ

名誉毀損は、憲法上の「表現の自由」とも対立がある条文でもあります。
自身の社会的評価が低下した場合に訴えることができ、刑法・民法双方で裁判を起こす例もあります。
ただ、裁判とすることで、さまざまなことが明らかになりますので、そのことが原告にとって有利となるか不利になるかを見極める必要があるでしょう。
刑法では、公共性や公益性、真実性について相当な理由がある場合は、社会的評価の低下があっても名誉毀損が成立しないのが一般的です。

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