タコ部屋(たこべや)

「タコ部屋」とは「戦前戦後の時代に炭鉱などの劣悪環境で、土木的な肉体労働の作業員が日々暮らす宿舎」です。昭和の中頃までは労働者の人権などは存在しないようなもので、一部のエリート以外は誰も彼も苛酷な環境下で働いていたのです。現在の若者の感覚なら全ての仕事がブラック認定されるほど苛酷で、その中でも最悪だったのが「タコ部屋」と呼ばれる炭鉱などの宿舎で暮らしながら肉体労働をする仕事でした。

[adstext]
[ads]

タコ部屋の意味とは

「タコ部屋」の意味は以下の通りとなります。
 (1)第二次大戦前に北海道樺太などの苛酷な炭鉱現場の労働宿舎や飯場制度の事。
 (2)明治時代から昭和時代まで続いた苛酷な労働現場から転じて、現在でも体力が疲弊する仕事を住み込みや寮生活をしながらさせたり、借金漬けの債務者を強制的に働かせる現場、劣悪環境で安月給で働かせる外国人技能実習生などの環境下を喩えた言葉。
 (3)国家公務員の官僚が法案作成で集中的に作業する仕事部屋の呼び名。
 (4)「蛸部屋」や「タコ部屋労働」も同義。
”タコ”は「頭足綱八腕目の軟体動物」「(タコ部屋の)労働者」、”部屋”は「家の中の仕切った空間」「座敷」「小屋」「宿泊や生活する一区画」で、かつての苛酷な労働環境はまるで蛸壺の蛸のようで、一度入ったら抜けられない(出られない)事から「タコ部屋」と呼ばれます。戦前戦後の昭和時代は借金苦の労働者を半ば強制的に拘束して働かせる現場が全国に多数存在し、代表的なのは北海道樺太や九州の炭鉱現場です。現在のような労働者を労わる安全衛生管理や環境などは用意されていないので、長時間労働や休日なしに安月給などは当たり前で労働者を酷使し働かせ続けたのです。全国各地から労働者が集まるので彼等が暮らす宿舎(寮)も用意されていますが、これも驚くような不衛生な劣悪環境でそこからいつしか「タコ部屋」と呼ばれるようになります。厳密には地域毎に呼び名があるようで、関東や関西や北海道は「タコ部屋」、九州では「納屋制度」と呼ばれたそうですが、現在は喩えなどで使う場合は「タコ部屋」が一般的です。これほど肉体を酷使し生活環境も最悪なのだから好き好んで「タコ部屋」に入る人は皆無で、大半は地元で仕事に失敗して借金がある、又はヤクザに弱みを握られて「タコ部屋」に強制的に連れ込まれる人も大勢いました。そんな事情から現在でも、体力的にハードな期間工やその寮、半ば騙されて働かされている外国人実習生の現場、違法風俗で働く従業員など真っ当な仕事や寮とは言い難い労働条件でも喩えとして「タコ部屋」と当人や周囲が呼んでいます。

タコ部屋の由来

「タコ部屋」の由来は厳密には諸説あるようですが、明治時代の北海道で行われていた囚人労働が始まりとされています。真冬の北海道は苛酷な環境で、そこで強制的に開拓をさせられる囚人は脱走できないよう鎖で繋がれ、宿舎も当然ながら劣悪で人間らしい扱いをされない事から、「タコ労働」や「タコ部屋」と呼ばれるようになります。

タコ部屋の文章・例文

例文1.大家族で暮らす友人に冗談で「タコ部屋みたいじゃん」と言ったら傷付けてしまい、その後に必死で謝って許してもらった。
例文2.給料が高い期間工などはタコ部屋要素も強いが、現在はアパートが用意され一人部屋が確保されている事からかつてのタコ部屋に比べると破格の好待遇が用意されている。
例文3.住み込みで仕事をするのはタコ部屋に決まっているので、絶対に拒否している。
例文4.政治家や役人こそまとめてタコ部屋に集めて共同暮らしをすれば警護やセキュリティも楽になるだけでなく、少しは税金を湯水の如く使うのをしなくなり庶民感情が理解できるだろう。
例文5.高校や大学の運動部の寮や自衛隊なども現代版タコ部屋で、デリケートな自分は生活できないと確信している。
「タコ部屋」を使った例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

タコ部屋の会話例

  • 質問者アイコン

    そろそろこの部屋から引っ越ししたいよなー。

  • 回答者アイコン

    確かにむさ苦しい汚部屋だし…。それに…。

  • 質問者アイコン

    それに何だよ。豚男が暮らすタコ部屋って言いたいのかよ。

  • 回答者アイコン

    そこまで思っていないわよ。でも、少しは掃除した方がいいわね。

汚い部屋で暮らす彼氏とその彼女の会話となります。

タコ部屋の類義語

「タコ部屋」の類義語には、「飯場」「監獄部屋」などの言葉が挙げられます。

タコ部屋の対義語

「タコ部屋」の対義語はありませんが、強いて挙げるなら恵まれた環境の労働として「ホワイトカラー」「ホワイト企業」「頭脳労働」などの言葉が挙げられます。

タコ部屋まとめ

「タコ部屋」は戦前戦後の混乱期に北海道や九州などの炭鉱で土木作業をして暮らす労働者が生活する宿舎や宿泊施設です。彼等は好き好んで働いている訳ではなく、借金などトラブルを抱えている事が多く劣悪な環境での肉体作業もやるしか道はなく、そんな抜け出す策がない状況をまるで蛸壺に捕まった蛸のようだとして、現在でも住み込みや寮で働く労働条件が悪い仕事を「タコ部屋」のようだと喩えて使ったりします。

言葉の手帳ロゴ

この記事が参考になったら
『いいね』をお願いします!

この記事を読んでいる人に人気の記事