阿る(おもねる)

「阿る」とは「相手に気に入られようと振る舞う事」です。これだけでよく分からないなら、媚びを売ったり愛想笑いをすると言えば、想像しやすいと思います。要するに、仕事先の関係者やお得意さんの前では調子を合わせたり、または学校生活でも皆を牛耳るようなリーダー的な存在には遠慮して話したりしますよね。そんな行為を「阿る」と呼んでいるのです。それでは、人間社会を円滑に進める必要な潤滑剤の役目を果たす「阿る」について調べてみました。

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阿るの意味とは

「阿る」の意味は以下の通りとなります。
(1)人の気にいる様に振る舞う。へつらう。
(2)相手の機嫌を取って、気に入られる様にする。媚びる。
(3)愛嬌を振り撒き、愛想を良くする。
(4)腰を低くして、相手に嫌われない様に繕う。
「阿る」を辞書で調べると、最初に表示されるのが(1)になります。人の気にいる様に振る舞う事で、要するに「へつらう」(諂う)事です。では、「へつらう」とは何かと言うと、同じく人の気にいる様に振る舞う事であり、またお世辞を言ったり、追従したり、そして「阿る事」となります。従って、「阿る」と「へつらう」は完全なる同義に限りなく近いですが、やや「へつらう」の方が具体的な行為にまで及んでいるので、より媚びている感はありますが、実際のところはこの程度で使い分けがあるとは思えず、個人それぞれの裁量に委ねられていると判断できます。一方で、昔の文学作品だけでなく現代でも「阿る」は割と使われる表現であり、特に社会人になると好んで多くなる傾向もあります。「へつらう」は当然ながら、媚びる・迎合・愛想笑い・取り入る・ヘラヘラするなども類似なので、例えば取引先などを接待した時は、相手に気に入られ様とこれらの行為や態度を全てするので、接待終了後には疲れから「阿るのも楽じゃない」と愚痴を吐けは、気に入られようと様々な事をして神経を削ったと察すれます。

阿るの由来

「阿る」の由来は正確には判明していませんが、「阿諛迎合」や「諂阿」などで使用されていた”阿”が時代経過によって、単独で使用されるようになったと推測できます。語源としては、元々は山や川が曲がって入り組んだ所という意味で、そこから、人に従うや気に入る様に振る舞うとなりました。

阿るの文章・例文

例文1.サラリーマンの営業人生とは、阿る事を如何に気にしないで出来るかにかかっている。
例文2.仕事では取引先の年下エリートを阿るのに、家では年上女房をさらに阿るとは、どれだけ媚びへつらう男なんだと自嘲してしまう。
例文3.入社2年目の新人が、阿るばかりの仕事に辟易としてさっさと退社してしまった。
例文4.幼稚園に通う息子は周囲にかなり気を遣う性格で、親として今から阿る事を覚えて将来を心配してしまう。
例文5.政治家がなぜ庶民に対して偉そうに振る舞うのかは、それは派閥の権力者に阿る毎日なので、その鬱憤を晴らしているからだ。

「阿る」を政治家やサラリーマン人生などに当て嵌めた例文です。

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阿るの会話例

  • 質問者アイコン

    今月もやっと終わったよ。それにしても、サラリーマンも楽じゃないね。

  • 回答者アイコン

    それはそうよ。給料を頂くとは、それは大変よ。

  • 質問者アイコン

    でも、専業主婦じゃん。俺は毎日が戦場みたいなものだよ!

  • 回答者アイコン

    そんな兵士が帰還したから、こうして話し相手になって阿るでしょう毎日。だから、さっさと食事の用意をして!

仕事で疲れて帰宅した夫よりも立場が上の専業主婦という内容です。

阿るの類義語

「阿る」の類義語には、「へつらう」「媚びる」「取り入る」などの言葉が挙げられます。

阿るまとめ

「阿る」は「へつらう」と同義で、相手に気に入られようと愛想笑いをしたり機嫌を取るなどをする事です。要するに媚びる行為全般で、大人の世界でも特に日本のサラリーマンには多いかも知れません。仕事が営業なら取引先などに媚を売るのは常識で、それをしないと逆に高を括っていると誤解を招くほどです。仕事先に気を遣ってお茶菓子を持っていたり、接待ゴルフをしたり、機嫌良くなってもらおうと気を遣って会話したりと、そんな日本特有の下手に出るのが「阿る」です。

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