現状維持(げんじょういじ)

「現状維持」とは「現在の状況や状態を保つ変化よりも持続を選ぶ事」です。仕事や結婚生活など何でも良いのですが、どうしてもある程度慣れてしまうと不満があっても新しい事に挑戦するのは面倒なので、このままで良いと思ってしまいますよね。年を重ねるとより顕著で、冒険するのはどんどん怖くなり、それなら仲が悪い夫婦関係や嫌味な上司がいる仕事を続ける方を選んでしまうのです。そんな慣れから選んでしまう「現状維持」についての解説となります。

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現状維持の意味とは

「現状維持」の意味は以下の通りとなります。
(1)現在の状況や状態や情勢をそのまま変えずに保つ事。
(2)今の状態を保つ努力はするが、新しいチャレンジは拒否や否定する。
(3)変化する事での好転よりも、現状のままの停滞を選択する事。
”現状”は「現在の状態」「有様」、”維持”は「物事の状態をそのまま保つ」「持ち堪える」で簡単に言うなら「現在を変化させずそのまま保つ事」が「現状維持」です。向上や成長よりも現在の状況で満足していると受け取れる事からネガティブであったりマイナスな表現と解釈するのが一般的で、特に政治や経済分野での「現状維持」は責任放棄や責任逃れであり、何もしないのと一緒です。もちろん「現状維持」で放って置いても時間経過で状態が良くなる事もありますが、それは飽く迄も時間が好転を一時的にもたらしただけで根本的な対策は放棄しているのです。その例として、日本はかつてはアメリカに肉薄するほどの経済力がありGDPランキングでも2位を維持していましたが、現在は中国に抜かれて3位となり、もたもたしているとドイツやイギリス・インドに抜かれる可能性も極めて高いです。経済が好調だった頃にどこかで大勢が「現状維持」で良いと思ったのでしょう。しかし、アメリカはもっと経済発展を目指し、中国は日本を抜かすと躍起になったのが現在の結果なのです。要は「現状維持」を目指すと勢いはなくなり、下からの追い上げには太刀打ち出来ず、なし崩しで衰えていくのです。その一方で上を目指すのもリスクがあり、両方を天秤に掛けて「現状打破」を選択する事もあり、また現在は我慢の「現状維持」で頃合いを見計らってから行動に移る事もあるので、一概に「現状維持」は悪いや向上心がないと決め付けもできません。

現状維持の由来

「現状維持」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては明治や大正時代を代表する小説家・森鴎外の著書「吃逆」(1912年)などに文言が記されています。

現状維持の文章・例文

例文1.「現状維持の為には努力をしないと現状すら保てない」と言っていた父は、何かと「人生は退屈だ」「人生は諦めだ」と相反する事を子供に言い聞かせていたが、大人になってその気持ちがよく分かるようになった。
例文2.冷え切っている妻とこのまま現状維持で結婚生活を続けるか、それとも離婚をするかの選択期限が迫っているが、未だに結論が出ない。
例文3.経営するラーメン店は現状維持をするどころか年々売り上げが細くなる一方で、なぜ脱サラをしてしまったのかと悔やんでも悔やみきれない。
例文4.ぎりぎり100キロ以下で抑えていたので満足していたら、この前久しぶりに体重を計ったら105キロを超えていて現状維持していたと思っていた気持ちは脆くも崩れ去った。
例文5.中年オヤジにとっては頭髪を現状維持するのがどれだけ難しいか、生意気盛りな小学生には分かってもらえない。
現状を保つとして「現状維持」を使った例文です。

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現状維持の会話例

  • 質問者アイコン

    資格の勉強?。あー、確かにこの前はやるみたいな事を言ったけど、今日はいいだろ。ちょっと疲れているし、ゴロゴロさせてくれよ!

  • 回答者アイコン

    そう言って、もう何年間もこのままでしょう! 資格を取れば、給料も上がるって言ったよね。じゃあ頑張ってよ!

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    そう興奮するなよ。分かるけど、今の給料でも生活できるからいいだろ。休みまで勉強なんてしたくないよ。

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    バカ―。現状維持で満足していたら、ずっとこのまま細々とした生活を続けるんだよ。今じゃマイホームも買えないじゃない。

互いの価値観に違いが生じる夫婦の様子です。

現状維持の類義語

「現状維持」の類義語には、「現状保持」「現状凍結」などの言葉が挙げられます。

現状維持の対義語

「現状維持」の対義語には、「現状打破」「現状打開」「飛躍」などの言葉が挙げられます。

現状維持まとめ

「現状維持」は現在の状況や状態に満足しているのか、そのまま変えずに保つ事です。変化する事で悪くなる恐れもあるので、それなら現在が続くようにするのが良しとする考えです。一方で現在の状況を維持するのも実は難しく、上を目指さないのは停滞ともなります。従って「現状維持」はいずれ勢いがなくなり衰えるのですが、それでも現在に不満がないなら良いとする妥協の決断ではないでしょうか。

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