旅の恥は掻き捨て(たびのはじはかきすて)

「旅の恥は掻き捨て」とは「旅先での解放感から、日頃よりも大胆な行動をする喩え」です。旅行を趣味とする人にとっては、旅の最中は別人格のようなテンションに身を置けるのが醍醐味であり病み付きとなっているのでしょう。自宅や職場では物静かだが、旅先で出会う人とはもう会う事がないので懐を探るような事はしないで済み、饒舌でフレンドリーになれる。良くも悪くも環境が変わるだけで性格までも変わるのです。それでは「旅の恥は掻き捨て」の解説となります。

[adstext]
[ads]

旅の恥は掻き捨ての意味とは

「旅の恥は掻き捨て」の意味は以下の通りとなります。
(1)旅先では周囲に知り合いが居ない事や解放感から、恥をかいてもその場限りで、大胆な行動や言動が出来る喩え。また、そんな行為が旅先では恥ずかしいと思わず平気な状態。
(2)旅行中は普段と違った大胆な一面を見せがちだが、そんな行動に自己肯定や良心の呵責から反省を込めて使う言葉。
旅先は非日常として無茶をしたり楽しもうと考えるのは、老若男女を問わず共通認識となっています。一方でかつては、旅先の醍醐味として多少の悪さめいた羽目を外した迷惑行為も容認として「旅の恥は掻き捨て」と使われていましたが、最近は言動や行動などが普段と違う程度で使う場合が多く、またそんな結果を反省や否定として使ったりもします。ですから、”恥”の程度が時代に即している訳で、いくら旅先だからでも常識の枠外まで羽目を外すのは有り得ません。普段は行かないようなお店に行ったり、お酒をたらふく飲んで騒いだり、異性に気軽に声を掛けたりといった日頃の生活圏では出来なかった行動を「旅の恥は掻き捨て」と呼ぶのです。また、そんな行動をするように自らを納得させたり、逆に反省する際にも「旅の恥は掻き捨て」となります。よって、ある種の後先を考えない行動や言動であり、この程度は大丈夫だろうとする許容範囲が旅先では各段に広がるので、別の人格というか本来の自分が旅の間だけは殻を破って出現するとも受け取れます。

旅の恥は掻き捨ての由来

「旅の恥は掻き捨て」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては小説家・宇野千代の著書「もう一度結婚を」(1981年)などに文言が記されています。

旅の恥は掻き捨ての文章・例文

例文1.「旅の恥は掻き捨てだから言いだろ」と先輩に誘われ、普段は行かない繁華街で豪遊をしたら気が付いたら財布はすっからかんで、娘への土産代も無くなってしまった。
例文2.迷惑な外国人旅行客は旅の恥は掻き捨てをモットーにしているのかやりたい放題だったが、コロナでやって来れなくなったのは唯一の救いだ。
例文3.旅の恥は掻き捨てだと分かっているが、どうしても知らない人に声を掛けて誘うのは抵抗がある。
例文4.旅行から戻ってきた息子だが、口数は極端に少なくなり時には怯えたような表情も見せ、旅の恥は掻き捨てと言うがとんでもない事をしてきたのではと不安でならず、明日占い師に相談しようと思っている。
例文5.かつてコロナ禍でも路上飲みをしていた軍団は、きっと旅の恥は掻き捨てと同じような集団心理が働いていたのだろう。
旅行やそれ以外でも「旅の恥は掻き捨て」を使った例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

旅の恥は掻き捨ての会話例

  • 質問者アイコン

    早く来週にならないかな。久しぶりの社員旅行だから今から待ちきれないよ。

  • 回答者アイコン

    男性ばかりの職場だから、どうせ旅の恥は掻き捨てでろくな事をしないんでしょう?

  • 質問者アイコン

    それを言うなって。ところで…、旅行の時は小遣いを少し多めにくれると嬉しいんだけど、どうかな?

  • 回答者アイコン

    それは自分の懐で何とかしてよ。どうして男の付き合いに家計から出すのよ。

社員旅行を楽しみにする夫と、家計管理に厳しい妻の会話です。

旅の恥は掻き捨ての類義語

「旅の恥は掻き捨て」の類義語には、「後は野となれ山となれ」「末は野となれ山となれ」「旅の恥は弁慶状」などの言葉が挙げられます。

旅の恥は掻き捨ての対義語

「旅の恥は掻き捨て」の対義語には、「立つ鳥跡を濁さず」「飛ぶ鳥跡を濁さず」「鳥は立てども跡を濁さず」などの言葉が挙げられます。

旅の恥は掻き捨てまとめ

「旅の恥は掻き捨て」は旅行先では知り合いもいないので少しぐらい無茶をしても大丈夫や恥を掻くぐらい楽しもうという意味です。普段はしないような大胆な行動や言動をするので、それが仲間内では楽しかったりしますが、最近はかつてのような派手な行為はせずに多少の大胆さや自戒を込めて使う事も多いです。

言葉の手帳ロゴ

この記事が参考になったら
『いいね』をお願いします!

Checkmateのサービスを紹介する広告です。
この記事を読んでいる人に人気の記事