予後不良(よごふりょう)
｢予後不良｣とは｢病気や怪我の回復が思わしくなく回復の見通しが悪い医療用語｣と｢競走馬を安楽死させる競馬用語｣です。どの業界も専門用語が多いのは外部にあまり意味が伝わらないようにする思惑があるからでしょう。医療業界では患者の今後の見通しが悪い事を｢予後不良｣と言いますが、これは競馬業界では怪我などをして今後も回復が見込めない競走馬を殺処分する事でもあります。
予後不良の意味とは
｢予後不良｣の意味は以下の通りとなります。
(1)病気の経過や結末の予測が良くない。回復する見通しが少ない状態。
(2)医療行為後も患者の状態が悪く、今後も病気が悪くなる可能性が高い事を指す医学・医療用語。
(3)医学・医療用語が転じて、競走馬が主に脚を怪我して回復見込みがなく安楽死の診断となる競馬用語。
”予後”は｢病気や手術などの経過や結末を医学で予測する｣｢病気の治癒後の経過｣、”不良”は｢質や状態が良くない｣｢品行や性質が良くない｣で、病気や怪我の治療後の経過やその見通しが良くないのが｢予後不良｣です。この意味からも医学・医療用語なのですが、厳密には医師や看護師など病院関係者のみが用いる専門用語で患者などへの説明の際には使わない表現となっています。一方、｢予後不良｣は医学・医療用語が転じて競馬用語ともなっていて、怪我などをして回復が難しい競走馬を安楽死させる事を｢予後不良｣と言います。これは競馬を扱うスポーツ新聞から競馬ファンなどが悲しい出来事として用いる表現なので、｢予後不良｣を完全なる競馬用語と誤解をする人も多いようです。医学・医療用語に戻すと、治療後も回復が難しいや良くならないのが｢予後不良｣ですが、具体的には｢後遺症が残る｣｢治癒が望めない｣｢進行が抑えられない｣｢再発｣｢重篤な副作用｣｢延命が困難｣｢死亡｣となります。対する競馬用語の場合は｢故障した脚の回復が難しい状態｣であり、本来なら命には問題がないのですが、馬とは脚を怪我すると馬体の重さから他の病気に繋がったりと苦しい思いをするので安楽死をさせるのです。よって競走馬では｢予後不良｣＝｢安楽死｣となります。
予後不良の由来
競走馬の｢予後不良｣として日本で競馬が始まったのは江戸時代後期の1862年とされ、その後明治時代になると競走馬を安楽死させるという名目で｢予後不良｣が行われるようになります。しかし、現在のような薬殺ではなく、レース直後に観客の前で銃殺するケースもありました。
予後不良の文章・例文
例文1.観客を湧かせたあの名馬が予後不良になるとは、何ともやり切れない気持ちでいっぱいになる。
例文2.知人の見舞いに訪れたら、看護師同士が予後不良がどうしたとヒソヒソ話をしていて、思わず息を殺して気配を消した。
例文3.競走馬の多くは予後不良という名の殺処分をされるようで、競馬世界は闇深いと改めて思い知った。
例文4.自分は覚悟が出来ているのでハッキリ告げるように宣言したが、呆れた顔の医師から｢予後不良？ 単なる水虫ですよ｣と言われた。
例文5.コロナのワクチン接種で、助かる命も予後不良となったのならどこが責任を取るのだろう。
｢予後不良｣を使った例文となります。
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予後不良の会話例
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もう競馬を止めようと思っているんだよ。
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お馬ちゃんが唯一の楽しみなのに、一体どうしたの？
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これまで何も考えずに、週末になると酒を飲んではネットで競馬の注文を入れていたけど…。競走馬の多くは骨折しただけでも予後不良で安楽死させられると知って。もうギャンブルをする気が失せたんだよね。
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確かにちょっと特殊な世界よね。ギャンブルは他にもあるんだから、競馬以外を楽しめばいいんじゃない。
競走馬の安楽死である｢予後不良｣に心を痛めるという会話です。
予後不良の類義語
｢予後不良｣の類義語には競馬用語では｢斃死｣、医療用語では｢重篤｣、他にも｢回復の見込みがない｣｢治癒不可能｣などの言葉が挙げられます。
予後不良の対義語
｢予後不良｣の対義語には｢予後良好｣｢予後比較的良好｣｢寛解｣｢完治｣｢治癒｣などの言葉が挙げられます。
予後不良まとめ
病気や怪我をして状態が悪い事や回復する可能性が低い、或いは競走馬を安楽死させるのが｢予後不良｣です。競馬ファンにはお馴染みの悲しい言葉ですが、厳密には医療用語でそれが競馬の競走馬でも使われるようになりました。
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