ベクトル(Vector)

「ベクトル」とは「数学や物理の用語で大きさと向きの量ですが、一般的には会話や考え方の方向性の是非となる表現」です。本来はとても難解な言葉である「ベクトル」ですが、通常は思い切り簡略して「方向性」という意味合いで使われます。友人と意見が合わない時に、思わず「ベクトルが合わない」と口にした事はありませんか? 互いに真逆の意見で歩み寄りがないと、「考えが違う」として「ベクトルが違う」と表現するのです。そんな風に使いがちな「ベクトル」の解説となります。

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ベクトルの意味とは

「ベクトル」の意味は以下の通りとなります。
(1)大きさと向きをもつ量。速度や力などの大きさと方向で決まる量。
(2)数学や物理学やコンピューターの専門用語で、大きさと向きやデータ構造などの意味を持つ。
(3)数学などの専門用語から転じて、物事の方向として、会話や考え方などの一致や不一致で用いる日常的な表現。
「ベクトル」は元々はラテン語「vehere」を由来として、それがドイツ語「Vektor」(ベクトル)から現在は英語表記「vector」(ベクター、ベクトル)となります。直訳すると「方向量」「動径」「進路」といった意味で、会話の一致やズレなどの際に日常的に使われる事も多い言葉ですが、そもそもは数学や物理学にコンピュータなどの専門用語です。また、中学校の理科や高校の数学の授業では矢印を使って平行四辺形で力の合成・ベクトルの加法・ベクトルの減法といった基礎を学び、さらに発展させて幾何ベクトルや空間ベクトルなどのより専門的な分野でも使われます。従って、深く掘り下げるとかなり難易度が高く、どれだけ解説しても終わりがないぐらいにある意味で厄介な言葉です。コンピューターでも同様で、プラグラミングや画像処理などで「ベクトル」は幾度も登場しますが、素人が把握するのは難易度が高いので、便宜上の理由から使われる用語と留めても問題ないでしょう。最も一般的なのは日常の会話やビジネス現場で、友人とある話題で意気投合すれば「ベクトルが合う」「ベクトルが一致」、無駄な会議で意見が対立しているなら「ベクトルが合わない」「ベクトルを向かせる必要がある」「ベクトルの不一致」といった風になります。この際も本来は「大きさ」も加味するべき「ベクトル」ですが、会話などでは「方向性」のみで語られる事が多くなります。しかし、全体として意味は双方が理解できるので問題視する必要もないようです。

ベクトルの由来

「ベクトル」の由来は「運ぶ」を意味するラテン語「vehere」で、18世紀の天文学者が名付けたとされています。

ベクトルの文章・例文

例文1.米中のベクトルは何年間も噛み合っていないが、中国が拡大路線を諦めないかぎりこのまま暫くは続いていくだろう。
例文2.上司が部下に対して「お前らベクトルがズレている。もっと集中しろ」と発破を掛けたが、そう言った本人の頭がズレ始め誰も何も言えず気まずい時間が流れた。
例文3.見知らぬ者が一時の感情からベクトルを合わせて一緒に生活をしていくのが結婚である。
例文4.人気キャバ嬢は何かと「ベクトルが合う」と愛想良く言ってくれるが、これはお客全員に口にするサービストークで本気にする奴などは誰もいないと思ったら、案外と引っ掛かる人も多いそうだ。
例文5.将来について模索していたが、父親からベクトルを変えるように提言され、素直に従う事にした。
会話の方向性として「ベクトル」を使った例文です。

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ベクトルの会話例

  • 質問者アイコン

    じゃあ、明日俺が提出しておくから。

  • 回答者アイコン

    悪いわね。最後まで。

  • 質問者アイコン

    いいって。最後ぐらいは俺がやるよ。それにしても、結婚生活は3年で終止符か。まあ、お互いにベクトルが合わなかったから仕方がないな。

  • 回答者アイコン

    お互いに同じ方向を向いているはずだったのに…。夫婦生活って難しいのね。

離婚をする事になった夫婦の会話となります。

ベクトルの類義語

「ベクトル」の類義語には、「行き先」「進行方向」「針路」「道筋」「コース」などの言葉が挙げられます。

ベクトルの対義語

「ベクトル」の対義語には、「スカラー」「スカラー量」などの言葉が挙げられます。

ベクトルまとめ

「ベクトル」は数学や物理学では速度などの大きさと方向で決まる量で、幾何ベクトルや空間ベクトルにコンピューターのグログラムなど様々な専門分野で使われますが、一般的には会話の方向性などで話や意見が合う場合に「ベクトルが合う」、反対に合わない場合は「ベクトルが逆」「ベクトルが違う」といった風に使われます。

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