手塩にかけて育てる

手塩(てしお)にかける

野菜や花、子供や部下など、何かを大切に育てた事を「手塩にかけて育てた」と表現する事があります。ですが、この言葉の語源や由来、またそこに含まれる「手塩」の意味を知らない人は意外と多いようです。そこで今回はこの言葉について意味や使い方などを解説していきます。

手塩にかけるの意味とは

「みずからいろいろと世話をして大切に育てた」という意味を込めて使われます。人任せにしないでみずから面倒を見たこと、手間をかけたことを表現する言葉です。

手塩にかけるの由来

そもそも「手塩」とは室町時代に使われはじめた語で、元は膳の不浄なものを祓うために小皿に盛って添えられた物でしたが、のちに食膳に添えられた調味用の塩を表すようになりました。
この塩は「味加減を自分で調えるように置かれたもの」なので、これが語源となり、江戸時代の頃から「自ら面倒を見ること」を「手塩にかける」と言うようになりました。

手塩にかけるの文章・例文

例文1.手塩にかけて育てた無農薬栽培の野菜は美味しい。
例文2.時間を惜しまず、娘を手塩にかけて育てている。
例文3.部下が立派に成長したので、手塩にかけて育てた甲斐があったと思った。
例文4.会社の発展を願い、手塩にかけて社員を育てる。
例文5.自宅の盆栽が一段と美しく見えるのは、手塩にかけて育てたからだろう。
上記のように、みずから手間をかけて育てたものであれば様々な事柄を対象にして使う事が出来ます。一方で、この言葉を使う上で注意したい点が、「手塩をかける」は誤用とされているという事です。小さな違いですが、「手塩に」ではなく「手塩を」と言ってしまうと少し利己的なニュアンスになってしまうので、「手塩にかけて」が適正と覚えておきましょう。

手塩にかけるの会話例

  • 質問者アイコン

    今年から家庭菜園を始めたんだ。いろいろ育てているよ。

  • 回答者アイコン

    家庭菜園やってるんだ。育てるの大変じゃない?

  • 質問者アイコン

    楽しく育ててるよ。手塩にかけて育ててるから、収穫が楽しみだ。

  • 回答者アイコン

    いいなあ。収穫したら、私にも分けて頂戴。

ここでは家庭菜園を始めた人との会話をとりあげました。手塩にかけて育てたものは、きっとおいしいでしょうね。

手塩にかけるの類義語

同じような感覚で使われる言葉として「丹精込めて育てる」「手間暇かけて育てる」があります。「丹精」は真心を込めて行う事、「手間暇」は労力や時間を意味し、心を込めて時間をかけて育てた様子が伝わります。
また、情熱を持って作ったり育てる様子を表す言葉として「精魂を込める」「丹念に育てる」「丹精込める」などが挙げられます。

手塩にかけるまとめ

元は食膳のお清めのための塩を指す言葉の「手塩」が、時代と共に変化して出来た言葉が「手塩にかける」です。現代では「みずから世話をして大切に育てる様子」を表現する言葉として、植物や動物・人や組織などの様々な物事に対して使われています。ただし「手塩をかける」では誤用になってしまうので注意が必要です。

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