「年貢の納め時」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)

「年貢の納め時」とは「悪人に罪を受け入れさせたり、先延ばしの結論を覚悟を持って決めるよう促す喩え」です。昔はお見合い結婚が多かったのですが、その際にまだ独身生活を楽しみたいが結婚の頃合いでもあると結論が迷っていた際に最終判断の覚悟を決める言葉が「年貢の納め時」です。特に男性が「俺も年貢の納め時だから、もう結婚するよ!」と表現する事が多く、ある種の定番めいた言葉となっています。そんな「年貢の納め時」の解説となります。

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年貢の納め時の意味とは

「年貢の納め時」の意味は以下の通りとなります。
(1)悪者が遂に逮捕され、罪に服さなければならない時の言葉。
(2)年貢(租税)の滞納を清算する時が転じて、悪人がやっと逮捕されたり、物事が最後に落ち着くべき時や覚悟を決めた際の喩え。
”年貢”は「農民に課した租税」「(現在の)税金」、”納め時”は「金品を受け取り自分のものとする機会」「渡すべき金品を受け手に渡す機会」で、かつての租税の一環として米や現金などを領主に受け渡していたのが「年貢の納め時」です。誰もが本心としては租税を納めたくないので嫌々ながらも妥協して払うので、そこから、悪人が逮捕されて刑に服す時や悪人以外の一般人でも結婚相手を決めたり家業を継ぐなど一大決心で覚悟を決めた際にも使われます。逮捕された悪人も覚悟を決めた者も、両者に共通しているのはこれまでのような自由がなくなる事への諦めであり、その観念をするような諭しというニュアンスも込められています。よって、観念の時・運命を受け入れる・抵抗しないといった言葉とも類似の表現です。

年貢の納め時の由来

「年貢の納め時」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては明治時代の小説家・小栗風葉の著書「恋慕ながし」(1898年)などに文言が記されています。

年貢の納め時の文章・例文

例文1.半グレ逮捕した警察官が「もう年貢の納め時なんだから観念しろ」と言ったら、余計に暴れ出して怒りの導火線に火を点けてしまった。
例文2.ギターを片手に東京に出てきて早15年。その間は必至でミュージシャンを目指して頑張ってきたが、両親が年々老いる姿から遂に年貢の納め時だと覚悟を決めて地元に戻りやり直す事にしたが、その老いた両親から逆に田舎では仕事がないから戻ってくるなと言われる始末となった。
例文3.何も考えずに流されるままに就職をして、そのまま適齢期になり結婚をしてと順調に人生を歩んできたが、最近になってその時々で年貢の納め時と都合良く決断しただけで、まったく自分自身の考えで人生を歩んでこなかったと虚無感に襲われた。
例文4.否応なしでいつも組に上納金を支払っているが、その度に昔の人もなけなし金や米を年貢の納めと徴収されていたのだから、立場弱い者が一生喰われるのはいつの時代も一緒なんだとつくづく痛感する。
例文5.子供の給食費を払わない母親に、年貢の納め時という言葉が喉まで出掛かるがグッと堪えて来月はまとめて払うように催促するが、結局は滞納するともう分かっている。
覚悟を決めるなどで「年貢の納め時」を使った例文です。

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年貢の納め時の会話例

  • 違うんだよ。確かにもうタバコは吸わないって言ったけど、同僚が急にタバコをプレゼントしてくれて、それで捨てるのも持ったいないからこの一箱だけって吸っていたら、君がいきなり部屋のドアを開けたからビックリして…。

  • 言い訳はいいから、結局は禁煙が続かないんでしょう。

  • ごめん。人はそう言うね。

  • タバコは体に悪いんだから、もう年貢の納め時って覚悟を決めて禁煙しなさいよ。また破ったら、小遣い無しだからね。

禁煙が続かず意志が弱い夫に呆れてしまう妻の会話やり取りです。

年貢の納め時の類義語

「年貢の納め時」の類義語には、「諦め時」「観念の時」「万事休す」「一巻の終わり」などの言葉が挙げられます。

年貢の納め時の対義語

「年貢の納め時」の対義語には、「起死回生」「可能性がある」「粘る」「望みあり」「希望がある」などの言葉が挙げられます。

年貢の納め時まとめ

「年貢の納め時」は昔の人が租税として滞納していた米などを清算した事から、逮捕した悪人が罪に服すや物事の見切りをつけるという意味になります。覚悟を決めて罪の処罰を受けたり、或いは先延ばしにしていた結婚や就職などの現実を受け入れ、終わりであると同時に新しい始まりとなるのが「年貢の納め時」です。

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