「大事の前の小事」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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大事の前の小事(だいじのまえのしょうじ)

「大事の前の小事」とは「大きな出来事を控えて、小事でも気を付けると小事には構ってはいられない事」です。大変珍しい真逆となる二つの意味を持つ諺で、”大事”は「重大な事柄」「大きな仕事」、”小事”は「取るに足りない事柄」「些細な事柄」で、そのまま訳すと「大きな事柄の前の些細な事柄」となります。さらにかみ砕くと、大変な仕事の前につまらない事も大切にして気を付けるか、それとも構っていられないとするかの選択でもあります。そんなまるで自分が試されているような「大事の前の小事」の解説となります。

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大事の前の小事の意味とは

「大事の前の小事」の意味は以下の通りとなります。
(1)大きな事の前には小さな事にも油断をしないで気を付ける。
(2)大きな事の前には小さな事には関わっていられず、犠牲にしても仕方がない。
「大事の前の小事」は上記のように相反する二つの意味を持つ諺です。一つはこれから大事が控えているからと小さな事でも軽んじてはいけないで、二つ目は反対に大事が控えているので小さな事を気にしていられず犠牲は付きものとする事です。要するにケースバイケースでその都度に応じて臨機応変に対応すべきとも受け取れ、”小事”に対する対応でその後が大きく左右される事もあるのです。このような理屈というか考えは他にもあり例えば、成功者は豪快でありながら実は繊細、モテる男性はワイルドで男らしいが女性のように優しいなど、まるで正反対で矛盾するような両面があるのです。これは成功やモテるという結果を踏まえた上での二択とも言え、どちらも正解であり不正解になるある種のズルさもありますが、「大事の前の小事」も結局はどちらでも解釈可能なのです。

大事の前の小事の由来

「大事の前の小事」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代の軍記物語「平治物語」(1220年頃)などに文言が記されています。

大事の前の小事の文章・例文

例文1.朝起きたら赤子は泣き妻も叫んでいるが、大事の前の小事と割り切り会議に備えて早く出社する事にしたが、帰ってきたら激怒して説教をされると思うと早くも憂鬱だ。
例文2.張り込み中の刑事は大事の前の小事と分かっていても、目の前で小さな事件を見過ごすのはやり切れないだろうが、重大事件を解決するのが優先と決まっている。
例文3.大事の前の小事というので、試験前でも細かい事に色々と気を遣っていつも通りに生活するのが習慣となっている。
例文4.どこからか「助けてー」という声が聞こえた気がするが、今はトイレの個室に籠っているので、大事の前の小事として聞こえていなかったという事にした。
例文5.これだけコロナ感染者が増えても政府方針として五輪開催中は大事の前の小事で全てを片付け、メダル獲得しているのだからOKで反対するのは非国民の反日で済ますのはあまりにも酷い対応ではないのか。
小さな事を気にすると仕方がないの二つで「大事の前の小事」を使った例文です。

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大事の前の小事の会話例

  • ただいまーって、どうしたのこんなに部屋を散らかして。泥棒でも入られた?

  • 違うって。ネットで注文していたものが一気に届いて、それを開封していたら部屋が散らかったの。

  • 部屋だけじゃなくて、台所も滅茶苦茶じゃん。

  • それは料理中に荷物が届いたから。料理しつつも荷物も気になるでしょう。ってさっきから煩いなー。大事の前の小事って言うでしょう。荷物が届いたら開けたくなるし、そしたら部屋も散らかるって。

片付けが苦手な妻に小言を言う夫という内容です。

大事の前の小事の類義語

「大事の前の小事」の類義語には、「小の虫を殺して大の虫を助ける」「大の虫を生かし小の虫を殺せ」「一殺多生」「尺を枉げて尋を直くす」などの言葉が挙げられます。

大事の前の小事まとめ

「大事の前の小事」は大事を控えても小さい事を気にするや油断をしないと、小さな犠牲は仕方がないという真逆の意味を持つ諺です。よってこの諺だけではなく前後の文脈からどちらの意味なのか推測する必要があります。

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