「シュレーディンガーの猫」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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シュレーディンガーの猫(しゅれーでぃんがーのねこ)

「シュレーディンガーの猫」とは「全ての物理現象の元となる『量子力学』の理解と不確定性原理を深める思考実験」です。「2つの行動の内でどちらを選択するか」という功利主義を代表する「トロッコ問題」に負けないぐらい有名な考え方が「シュレーディンガーの猫」で、物事の状態の見極めをいつにするのかという、シンプルながらも実に深いところを追求した究極の考えになっています。

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シュレーディンガーの猫の意味とは

「シュレーディンガーの猫」の意味は以下の通りとなります。
 (1)オーストリアの物理学者・エルヴィン・シュレーディンガーによる量子力学の不確定性原理の思考実験。
 (2)毒ガス噴出する装置に猫を入れると仮定した実験で、量子力学の不確定性原理の肯定と否定で議論を呼び起こした独自の提案や考え方。
「シュレーディンガーの猫」は英語表記「Schrodinger's cat」となり、1935年にオーストリアの物理学者・エルヴィン・シュレーディンガーが考案した量子力学の不確定性原理の思考実験となります。これはラジウム原子が50%の確率で1時間以内に崩壊すると毒ガスが噴出する装置が置かれた箱に生きた猫を入れたもので、外から箱の中は確認できないので実際に開けないと猫の生存は分からないというものです。この事から現実的には猫の生存が不確かだが既に死んでいる場合と生きている場合だけでなく、箱を開けた瞬間に生死の状態が決まる場合もあると、新たな解釈を提起したのです。要するに箱を開ける前に生死が決まっている場合と、箱を開けた瞬間に生死が決まるというもので、そこから量子力学の不確定性原理の矛盾を突いているとなったのです。最終的には猫の生死は確認してから決定とするなら、人間の確認行動が物事の生死を決めるや人間自身の生死も確認によって決まるといった考え方にまで発展したのです。その後は2016年にオーストリアのウィーン大学、2019年にはアメリカのカリフォニア大学で検証実験が行われ、当然ながら箱を開けて確認するまで生死の状態は分からず「シュレーディンガーの猫」を裏付ける結果が出ています。

シュレーディンガーの猫の由来

「シュレーディンガーの猫」は1935年にオーストリアの物理学者・エルヴィン・シュレーディンガーがドイツ科学誌で論文「量子力学の現状について」を発表したのが始まりです。この考えは物理学や量子力学の世界に留まらず、SFやミステリーの分野にも大きな影響を与え影響を受けたりモチーフとした作品は多数あります。

シュレーディンガーの猫の文章・例文

例文1.東大入学を人生の目標に掲げていた友人は何かとシュレーディンガーの猫などの小難しい例えを使うのを得意としていたが、結局は受験に失敗して俺と同じ地方の寂れた工場で労働に明け暮れている。
例文2.シュレーディンガーの猫とは結局何を言いたいのか皆目見当がつかない。
例文3.シュレーディンガーの猫を知ってから哲学を追求する道を目指す事にした。
例文4.あまりにも難解なシュレーディンガーの猫は、ガリレオの名物教授がどんなに無意味な公式を書き散らしても答えを導きだせないだろう。
例文5.YouTube動画の収益だけが人生の糧であり唯一の存在価値となっているYouTuberが、得意の偏った独自解釈でシュレーディンガーの猫を解説するのを楽しみにしている。
「シュレーディンガーの猫」を使った例文となります。

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シュレーディンガーの猫の会話例

  • その考えも分かるけど、俺は別の方法を取るべきだと思うよ。

  • ちょっと何言っているの。男女平等なのに、女性だからって意見を取り入れないのは差別よ。この時代錯誤の懐古主義な偏屈男!

  • そっちこそ何かと男女差別を持ち出すなよ。男も女も関係なく、その意見には賛同できないって言っているだけだろ。

  • あなたはシュレーディンガーの猫みたいな人ね。え、意味が分からないの? 猫を毒殺しようと試みる悪人って事よ。

職場の同僚男女が口論を交わし、憤慨している女性が間違って「シュレーディンガーの猫」を例えで用いるという内容です。

シュレーディンガーの猫の類義語

「シュレーディンガーの猫」の類義語には同様の思考実験として「トロッコ問題」「臓器くじ」「スワンプマン」「ザ・バイオリニスト」「カルネアデスの板」などの言葉が挙げられます。

シュレーディンガーの猫の対義語

「シュレーディンガーの猫」の対義語はありません。補足として「思考実験」の対義語は「行動実験」、「猫」の対義語は「犬」になります。

シュレーディンガーの猫まとめ

猫の生死の状態とはどのタイミングなのかと問い掛ける思考実験が「シュレーディンガーの猫」です。これは明確な答えは永久に見つからない「トロッコ問題」などと同じで、解釈や結論は一人ひとり次第となりますが、だからこそ世界中で様々な議論を巻き起こして研究が行われています。その面だけでも十分に問題提起した意味はあったのでしょう。

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