琴線

昔から日本には、感情の揺らぎを表現する言葉はたくさんありました。しかし時代が流れるにつれて言葉そのものが増加し、中には使われなくなっている言葉も多くなっています。時代の変遷に寄る言葉の消滅は珍しいことではなく、世の中の摂理でもあります。
それでも中には、日常的に使われていた言葉の巧みな表現を、改めて学んでいきたいという考え方も根付いていることは確かです。ここではそんな言葉の一つであり、心の揺れ動きを身近な道具に例えた言葉でもある琴線という言葉に関する言葉や意味をご紹介いたします。

琴線の意味とは

琴線とは元々、琴の糸を指す言葉ですが、広く弦楽器の糸を指すこともあります。読み方は「きんせん」となります。又弾いて音を奏でる弦そのものの特性から、外界の物事に揺れ動く心の奥底に存在している、物事への感動や共感しやすい感情を指す言葉にも変化していきました。ただしこれはあくまで良いものへの心の響きであり、悪いものへの心の響き(不愉快さ)には使用することはありません。

琴線の由来

先程も触れましたが、琴線とは弦楽器の弦・琴の糸を指す言葉です。これらの弦や糸は何かしらに触れられることで、音を出す特性があります。その音は弦にどのように触れるかで大きく変わってくるものであって、まるで人間の繊細な感情や感覚のようであるという点から、心の揺れ動きに対する比喩として、1800年代後半の表現として使用されたことが今でも残っているのです。

琴線の文章・例文

例文1.友人の温かい言葉が、心の琴線に触れた。
例文2.誰かの心の琴線に触れる作品を作ってみたいです。
例文3.心の琴線に共鳴する話だった。
例文4.琴線に響く素晴らしい音楽でした。
例文5.その物語は私の心の琴線に触れるものでした。
琴線に触れる、という一つの言葉で使用することがほとんどであり、琴線という言葉を単独で使うことは多くありません。また良い意味で感情が揺れ動いた、という意味合いで使うのが正しい使用方法であり、悪い意味(不愉快になった・怒りがわいてきた)で琴線という言葉を使うことは間違った使い方です。

琴線の類義語

琴線の類義語や関連語は、良い意味での心や気持ちの揺れ動きを表現した言葉となります。「感に打たれる」や「感じ入る」といったものや、「フィーリング」といったカタカナの言葉など幅広い言葉が挙げられます。単語の場合は「おもむき」と表現することが出来ます。

琴線まとめ

琴線とは繊細な感覚を表現する言葉で、あくまで感銘を受けるような良い意味で使用します。「逆鱗に触れる」と間違いがちな言葉ではありますが、逆鱗に触れるというのは怒りに関する言葉ですので、全く逆の言葉なのです。近年では誤用も増えつつありますが、使用される機会が少なくなっているとは言え、未だ人間の心を揺り動かす言葉として用いられている繊細で的確な言葉でもあると言えます。

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