富士山を見ながら日本酒を飲む昔の人々

富士見酒(ふじみざけ)

桜を見ながら飲む酒を「花見酒」、月を見ながら飲む酒を「月見酒」と言いますが、では「富士山」と言った場合はどんな酒を想像しますか?これは「富士山を見ながら飲む酒」だと思っている方も多いかもしれませんが、実は本来は別の意味で使われていた言葉なのです。今回はこの「富士見酒」について意味や由来などを解説していきます。

富士見酒の意味とは

近年では一般的に「富士山を見ながら飲むお酒」を表す言葉として使われています。ですが本来は少々異なった意味合いで使われていたそうで、灘(現在の兵庫県)で作った酒を船で江戸へ送り、再び戻ってきた酒のことを指す言葉でした。

富士見酒の由来

この富士見酒という言葉の起源は江戸時代までさかのぼります。酒の本場である灘で作られた酒は上質と言われ、当初馬によって江戸まで送られていましたが、次第に江戸での消費量が増えて船で運ばれるようになり、これらの酒は江戸に下るという意味で「下り酒(くだりざけ)」と呼ばれていました。富士山を見ながら江戸まで運ばれてきたそれらの酒は、その道中で馬の背や船の上で程よく揺られ、さらには酒樽の吉野杉の香りが移ることで、とても美味しいお酒になり喜ばれたそうです。そして江戸で売れ残った酒はふたたび灘に戻されたのですが、出荷する前よりも丸く、木の香りのするお酒に進化したことで「富士山を見て戻ってきた酒はうまい」と評判になり、「富士見酒」と呼ばれ人気が出たそうです。

富士見酒の文章・例文

例文1.旅館の露天風呂から富士山を見ながら、富士見酒を堪能する
例文2.その昔、灘から江戸に送られ再び灘に戻った酒はとても美味しく、富士見酒と呼ばれもてはやされたそうだ
例文3.昔の人が馬や船で運んだという富士見酒の美味しさを、一度味わってみたいものだ
例文4.富士見酒の本来の意味は富士さんを見ながら飲む酒ではないと聞いて驚いた
例文5.一度は絶景の見える露天風呂で富士見酒を飲んでみたい
この言葉には二つの意味があるので、どちらの意で使われているのかは前後の文脈から判断する必要があります。

富士見酒の会話例

  • 質問者アイコン

    日本酒は熟成させることで美味しいくなるっていうよね。

  • 回答者アイコン

    それに気付いた昔の人ってすごいよね。

  • 質問者アイコン

    しかも熟成させるだけじゃなく長時間かけて馬や船で運んだお酒が美味しくなるいうことに江戸時代の人々が気付いて、それは富士見酒って言って当時とても人気たんだって。

  • 回答者アイコン

    そうなんだ。当時の人にとってお酒を運ぶのは大変だったと思うけど、それがあったから日本酒はさらに美味しく進化したんだね。

富士見酒は、昔の人の苦労によって文化が発展してきたということが感じられるような言葉ですね。

富士見酒の類義語

あるものを見ながら飲む酒という意味では「花見酒」「月見酒」などが類義語と言えます。歴史的な面の意味では、灘と江戸を往復したものを富士見酒と呼ぶのに対して、江戸に送っただけの酒は「下り酒(くだりざけ)」と呼ばれていました。

富士見酒まとめ

いかがでしたか?富士見酒に2つの意味があるということを知らなかったという人も、意外と多いのではないでしょうか。これは日本の文化から生まれた言葉で、当時の人々の大変さや喜びなどを感じられるものなので、ぜひ覚えておいてください。

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