雑魚の魚交じり(ざこのととまじり)
｢雑魚の魚交じり｣とは｢小さな魚が大魚の群れに交じる事から、弱い者や無能な者が大物や優秀な者が集う中にいる場違い感の喩え｣です。無能でも優秀な集団の中に身を置くとまるで自らも優秀のように錯覚をしますが、同時に何かがあるとその無能さがさらに露呈される危険性もあります。なぜなら人の本質は変わりませんし、突然優秀に変身する事は有り得ないからです。
この記事の目次
雑魚の魚交じりの意味とは
｢雑魚の魚交じり｣の意味は以下の通りとなります。
(1)小物が大物の中に交じっている事。能力低い者が役職に就いている等の喩え。
(2)稚魚が大きな魚の群れに交じっている事から転じて、小物が強い集団に入っていたり能力に相応しくない喩え。
”雑魚”は｢小魚｣｢地位の低い者の喩え｣、”魚”は｢雑魚に対する魚で大きな魚｣で、小魚が大きな魚の群れに交じっているのが｢雑魚の魚交じり｣です。そこから、｢小物が大物の中にいる｣や｢弱い者が大物の中にいる｣、或いはさらに踏み込んで｢能力がない者が身分不相応な役職に就いている｣といった喩えにもなっています。この諺は類語が多い事でも知られ似たような言葉が多数存在しますが、現代において”雑魚”は｢ザコキャラ｣などで若い世代にも広く知られているので、より見下した厳しい表現と言えるのではないでしょうか？ 因みに”魚”を｢とと｣と読むのは幼児語とされ、その点からも辛辣となっています。
雑魚の魚交じりの由来
｢雑魚の魚交じり｣の由来は江戸時代後期の戯作｢滑稽本｣の｢七偏人｣となります。
雑魚の魚交じりの文章・例文
例文1.私の能力では雑魚の魚交じりだと分かっているが、家族の為にこの職を投げ出す事は出来ず心はすっかり折れそうなギリギリ状態だ。
例文2.雑魚の魚交じりと陰口を叩かれようが、G7の集合写真ではセンターをキープして世界中から注目の新リーダーとなってやる。
例文3.海外リーグに挑戦しても殆どが失敗で雑魚の魚交じり状態なのに、日本に戻ってくると都落ちを忘れてか急に饒舌でマスコミの前で面白おかしく語り出すと、ああこの選手も引退後はサッカー解説者を狙って時にはバラエティ進出も目論んでいるのだと察しがつく。
例文4.お笑い芸人が仲間通しで互いに褒め合う感動ヒストリーは虫唾が走り、さらにまるで雑魚の魚交じりだとして自分を小さく見せて大物を絶賛するのを繰り返すからテレビ離れが加速していると理解が出来ないのは、自分達が特別だと勘違いをしているからだ。
例文5.いい大学を出ていい会社に入っても、世界視点からすると斜陽国家の日本とは雑魚の魚交じりにしか見えず、それを知ってる政治家と官僚は己の欲望を満たす為だけに行動をしてさらに没落に舵を切る。
｢雑魚の魚交じり｣を使った例文となります。
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雑魚の魚交じりの会話例
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やっぱり、このマンションから引っ越そうか？
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どうしてよ、折角良い物件に巡り合ったのに？
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うーん。分かるよ分かる。でも、ここって近所にタワマンばかりあるじゃない。だから仕事帰りで家が近付くと落ち込むんだよ。世間の連中は良い所に住んでいるが、それに比べて俺の寝床は…、これって雑魚の魚交じりじゃんって。
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それを気にしていたんだ。確かに…、タワマンが多いとは思っていたけど。雑魚の魚交じりなのね、私達のマンション暮らしは。
高級タワマンがある地域で暮らす夫婦のネガティブな感情という内容です。
雑魚の魚交じりの類義語
｢雑魚の魚交じり｣の類義語には｢海老の鯛交じり｣｢蝙蝠も鳥のうち｣｢鰯俵も俵の中｣｢ちりめんじゃこも魚交じり｣｢目高も魚のうち｣などの言葉が挙げられます。
雑魚の魚交じりの対義語
｢雑魚の魚交じり｣の対義語には｢嚢中之類｣｢嚢中の錐｣｢頭角を現す｣｢台頭する｣｢出る杭は打たれる｣などの言葉が挙げられます。
雑魚の魚交じりまとめ
小さい者が強い者や能力ある者の集団に紛れる事に対する場違いを表す諺が｢雑魚の魚交じり｣です。無能なのに大役を務める際などにも使われ、正に”雑魚”という現代にも通じる弱い者を見事に表現しています。
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