野趣(やしゅ)

「野趣」とは「自然の趣、又は田舎的な雰囲気や素朴な感じ」といった言葉です。これまでも度々、自然を求めるブームは起こっていましたが、最近はコロナ渦でのリモートワークや蜜を避ける等の影響もあり、東京から人口流出が増えているそうです。さらに、キャンプなどアウトドア人気や収入減なども関係がありそうですが、そこで注目を集める言葉が「野趣」です。自然の趣であり、田舎らしいという意味合いを持ちますが、果たして実際にはどんな風に使ったりするのか詳しく調べてみました。

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野趣の意味とは

「野趣」の意味は以下の通りとなります。
(1)自然の趣。自然ならではの味わい。自然で素朴。
(2)田舎らしい素朴な味わい。田舎的な雰囲気。
(3)自然らしく粗削りな良さ。野性味や大自然を感じさせる。
(4)「野趣に富む」「野趣を帯びる」も同義。
”野”は「自然の平らな地」「広い田畑」「野原」「自然のまま」「野生」、”趣”は「風情」「味わい」となり、端的に言うなら「自然の味わいや風情、田舎的な雰囲気や素朴など」が「野趣」です。要するに自然らしさであり田舎っぽさの事で、例えば山菜や川魚を食したり、山頂からの夕日を眺めたりなどを「野趣」で表現します。近年は野生動物のジビエや無農薬野菜などが流行っているので、その影響からかそんな田舎らしい料理で特に「野趣」が使われる傾向があります。また、キャンプも人気なので、そこで「野趣を感じる」「野趣が溢れる」として自然を体感する際の今風な表現となっています。従って、穿った見方をすると、本当に田舎で生活している人が用いるというより、都会人が週末だけ自然を感じた時の感想めいた言葉とも受け取れます。現地で生活している人が得意げに「野趣」とはなかなか使わず、それよりも田舎を妙に神聖化する都会人が発する事で、意味が大きくなるのでしょう。本来は田舎は不便なところですが、偶に体験すると一際良さを感じるものです。そんな事から、例えば都会でも田舎風な味わいのお店を「野趣の雰囲気がある」、自然っぽい料理を「野趣な味付け」、見事な庭園を「野趣溢れる庭」といった風に表現します。

野趣の由来

「野趣」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、室町時代の僧・古剣妙快の詩文集「了幻集」(1392年)の「移竹詩序」などに文言が記されています。

野趣の文章・例文

例文1.近所には人が近寄らない荒れ放題の山があるが、最近はキャンプ人気でお客が多く彼らは「野趣を感じられる」と喜んでいるのだから、世の中は何が流行るかわかったものじゃない。
例文2.近所の大手飲食店が閉店し、その後に野趣な料理を売りにしたお店がオープンし繁盛している。どちらも同じ親会社で働く料理人もまったく一緒で大差はないはずなのに、雰囲気を変えただけで成功した典型ケースだ。
例文3.部長宅に招かれ、真っ先に目に入ったのは野趣を感じさせ整備が行き届いた美しい庭だ。
例文4.都会の喧騒を離れて野趣を感じようと、週末は一人キャンプをするのに嵌まっているが、小心者なので夜中は誰かに襲われるのではと一睡もできない。
例文5.野趣を地で行く転校生は、珍しい方言もあいまってあっという間にクラスの人気者になった。

キャンプなど田舎めいた事で「野趣」を使った例文です。

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野趣の会話例

  • 質問者アイコン

    ちょっと雰囲気を変えたんだけど、違いが分かるかな?

  • 回答者アイコン

    服装が少しアウトドアになったよね。流行のワークマンっぽいけど、そこ?

  • 質問者アイコン

    ファッションだけでなく、髪型も変わったでしょう?

  • 回答者アイコン

    そう言われると短くなったね。髪と服装で少し男らしいから、野趣なテイストが満載でこれならモテるかもよ。

服装や髪形を変えた男性が知人女性に感想を求めています。

野趣の類義語

「野趣」の類義語には、「野性的」「ワイルド」「豪快」「天然」などの言葉が挙げられます。

野趣まとめ

「野趣」は自然や田舎を趣や風情があるとした言葉で、そんな料理やお店に風景や自然など多様な使い方がされます。要するに自然を賛美し、連想させるとも言い換えられます。ですから、野性味ある男性から、自然を感じさせる庭園、それから素朴な味付けの料理、山登りやキャンプなどで「野趣溢れる」「野趣に富む」「野趣を感じる」と表現できます。

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