「船頭多くして船山に登る」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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船頭多くして船山に登る(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)

「船頭多くして船山に登る」とは「リーダーとなる中心人物が多くて命令が統一されないと、現場は混乱し物事が上手くいかない例え」です。リーダーが多いとそれぞれが真逆の命令を下す場合もあり、すると物事は当然ながら上手くいかずダメになってしまいますよね。そんな教えとなる諺が「船頭多くして船山に登る」です。もちろん逆に多い方が良いとする「三人寄れば文殊の知恵」などの諺もありますが、これは協力する関係が構築されているという前提ありきです。

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船頭多くして船山に登るの意味とは

「船頭多くして船山に登る」の意味は以下の通りとなります。
 (1)指図する人が多いと統一が取れずまとまらないので、見当違いの方向に進んでしまう例えとなる諺。
 (2)本来リーダーである船長は一人のみな事から転じて、命令を下す船頭が多くなるのは船が山に登るぐらいあり得ない事だとしてそれでは物事がまとまらず失敗するという教訓。
 (3)「船頭多くして船山に上る」も同義。
「船頭多くして船山に登る」は船頭という船を取り仕切るリーダー・船長が多いとそれぞれが船員である部下に命令を下してしまい、最終的には考えが一つにまとまらず誤った方向に進むという事です。そこから、指図するリーダーである統率者は必ず1人にして、残りは命令に絶対服従するような組織や関係性の方が望ましいと説いています。有名な諺なので組織や団体などで使われる事が多く、特にビジネス現場でのプロジェクトを仕切る際などに用いられ、例として仕切る人が数人いて現場が混乱している時などに要因として「今はまるで船頭多くして船山に登るようだ!」と忠告・注意で使ったりします。

船頭多くして船山に登るの由来

「船頭多くして船山に登る」は古代中国の故事成語が由来とされ、それが日本に入って諺となったようです。文献としては近代日本の小説家・夏目鏡子の著書「漱石の思ひ出」などに文言が記されています。

船頭多くして船山に登るの文章・例文

例文1.大企業が衰退する理由の一つには、船頭多くして船山に登るといった状態に陥るからだろう。
例文2.社長の口癖は「船頭多くして船山に登るを反面教師にして私のワンマン経営を貫いたからこそ荒波を乗り越えられた」だったが、いよいよ流石にやばくなって倒産目前である。
例文3.船頭多くして船山に登るというが、日本のようにまともな船頭が一人もおらず指図する人がいないのも困ったものだ。
例文4.サッカーチームに守備免除された王様は一人しか必要ないのは、船頭多くして船山に登ると言わんとしている事は同じだろう。
例文5.日本企業は派遣を多くして人件費を削り目先の利益を上げる事でこれまで何とか乗り切ってきたが、しかしそれでは税収不足や独身増加での少子化だけでなく企業に忠誠を誓う従業員も少なくなり、自ら船頭多くして船山に登るような混乱状態を作り上げたようなものだ。
「船頭多くして船山に登る」を使った例文となります。

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船頭多くして船山に登るの会話例

  • うちの部署はどうして会議がまとまらないのか?

  • それは全員が個人プレーに走っているからじゃないんですか? 仲間で協力するよりも自分が出世して出し抜きたいだけですから。

  • こう言うのって諺でえーと、船頭多くして船山に登るとか烏合の衆って言うんだよね。

  • それより、もっと単純に自己中なだけですよ。

それぞれが好き勝手をして会議がまとまらないと、職場の同僚同士が嘆く会話内容です。

船頭多くして船山に登るの類義語

「船頭多くして船山に登る」の類義語には「船頭多くして船岩に乗る」「船頭多ければ岩に乗る」「役人多くして事絶えず」「謀夫孔だ多し、是を用て集らず」「舎を道傍に作れば三年にして成らず」などの言葉が挙げられます。

船頭多くして船山に登るの対義語

「船頭多くして船山に登る」の対義語には「三人寄れば文殊の知恵」「桶は桶屋」「衆力功あり」「片手で錐は揉まれぬ」などの言葉が挙げられます。

船頭多くして船山に登るまとめ

組織などでは命令系統が多いと下の者は混乱をきたすのが「船頭多くして船山に登る」です。船頭であるリーダーが何人もいて、各々が主導権を握るように命令をしても部下は混乱をするだけで、これでは目的地に着くのは難しくなります。ですからリーダーとなる責任者は1人にして残り全員が従うような組織の方が上手くいくと説いています。

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