総領の甚六(そうりょうのじんろく)

「総領の甚六」(そうりょうのじんろく)は、決して有名な諺とは言えませんが、意味を理解すると現在の日本の家族事情にとても当て嵌まり、さらに今後は増加する傾向を言い当て、予言しているように感じなくもないです。そんな妙な諺でもある「総領の甚六」について、解説をさせて頂きます。

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総領の甚六の意味とは

「総領の甚六」の意味は以下の通りとなります。
1.長男や長女の初子は大切に育てられ、世間知らずが多い。
2.弟や妹よりもおっとりした性格になる長男や長女。特に長男に対して。
3.跡取りとなる長男を揶揄う際に。
世間知らずやおっとりした性格の長男を揶揄する諺が「総領の甚六」です。「総領」は最初に生まれた子供で長男と長女の両方ですが、一般的には長男となります。特に「甚六」は男性に付けられる名前でもあり、お人よしや愚かといった意味が込められています。そこから、大切に育てられた長男は何もできない等、バカにする意味として「総領の甚六」となります。
※別表記「惣領の甚六」も正しい。

総領の甚六の由来

「江戸いろはかる」に出ているので、少なくとも江戸時代やそれ以前には誕生していた諺となります。「甚六」は愚か者等を意味がありますが、そもそも「甚六」だけでも長男を指す言葉とされています。よって、「甚六」が「総領の甚六」と同等の意味となるのです。「甚六」の由来として、「甚だしいろくでなし」を短くしたもので、元となるのが「順禄」(じゅんろく)となります。「順禄」は「家禄」(かろく)を受け継ぐ者で、長男となります。楽して家業を継げるので、将来を不安視する際に自ら用いる使われ方もありました。

総領の甚六の文章・例文

例文1.我が家は弟がおっとり性格なので、総領の甚六の反対になった。
例文2.総領の甚六と揶揄われたのをバネにして、今は大成功をしている。
例文3.昔は兄弟が多かったが、今では一人っ子ばかりのなで、多くの子供が総領の甚六になってしまう。
例文4.総領の甚六は、場合によっては長女も当て嵌まる。
例文5.総領の甚六は母親が大事に長男を育てた結果の裏返しでもある。

おっとりした性格の長男を揶揄する言葉なので、それ以外にはあまり使い方が見つからない言葉でもあります。これ以外では、自らを卑下する際などに用いるなどの使い方もあります。

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総領の甚六の会話例

  • 質問者アイコン

    僕は一人っ子なので、「総領の甚六」と父親に揶揄われて。最初は意味が分からなくて、調べてみたら思わず納得しちゃいました。

  • 回答者アイコン

    あはは! よくあるよね。調べてみたら、その言葉は実はバカにされていたって。でも私も、長女だから「総領の甚六」だよ。

  • 質問者アイコン

    ○○さんも長女だったんですか? 僕は一人っ子で長男だから一緒ですね。それで、よくよく考えたら、父親も一人っ子なんですよね。それで、余計に笑っちゃいました。

  • 回答者アイコン

    今は一人っ子が多いから、必然的に「甚六」になるよね。特に都会だと、一人っ子だらけだものね。

息子に対して、「総領の甚六」と揶揄った父親も、実は一人っ子だったというオチの会話です。

総領の甚六の類義語

「総領の甚六」の類義語には、「どら息子」「蛙の子は蛙」などの言葉が挙げられます。

総領の甚六まとめ

おっとりした性格、家業を楽して継げる長男を揶揄する諺が「総領の甚六」です。江戸時代頃に誕生した諺で、初子は大事に育てられるので、だから他の子よりも世間らずが多いとされています。現在の日本では、一人っ子も多いのであまり当て嵌まらない面もありますが、大切に育てられるのはどの時代も同じでしょう。

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