無の境地(むのきょうち)

「無の境地」とは「欲望や迷いを排除し解放され心が非常に落ち着いた状態」です。仏教用語なので正確な意味は素人には難しく、また解釈変化もあるのでその都度で微妙に違ってきますが、所謂欲を捨て去り執着しなくなったのが「無の境地」で、そこから、精神が研ぎ澄まされ集中していたり、落ち着いた心境を手にした事となります。

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無の境地の意味とは

「無の境地」の意味は以下の通りとなります。
 (1)雑念を排除して完全に物に執着しなくなった感覚に達する事。
 (2)欲・煩悩・迷い・苦しみなどから解放され悟りに達する状態。
”無”は「存在しない」「…がない」「…しない」、”境地”は「置かれている立場」「ある段階に達した状態」で、「何も存在しない状態に心が達した」のが「無の境地」です。これは他宗教にも通じるところがありますが一般的には仏教的な考えや心の持ち方で、要するに「悟りを開いた」のが「無の境地」とされ「悟りの境地」とも言われています。さらにこの状態は「涅槃」(ねはん)とも言われるので、「涅槃」=「悟り(の境地)」=「無の境地」となります。これらは厳密には多少の解釈違いもありますが、宗教人以外なら、迷いや煩悩などを断ち切り悟りや安らぎの境地に達したとなります。このような仏教の基本を踏まえた上で「無の境地」を現代的に理解するなら、人というのは欲にまみれているので、お金が欲しい、もっと綺麗になりたい、あいつが羨ましいといった卑しさを抱えて生きています。それが行動を起こす力にもなりますが、大抵の場合は欲に限界がないので途中で疲れ果て自分自身を見失うのです。ですから、欲にしがみつかず穏やかな心になったのが「無の境地」ですが、実際に使う際には「悟り」のイメージとして仏陀や大仏に修行僧などが座禅をしながら目を閉じている姿から、リラックスして物事に集中していたり、欲を捨て去り嗜好の変化や別人のように変わってしまった際の比喩的な表現として「無の境地」が使われます。

無の境地の由来

「無の境地」は仏教から誕生した言葉で、その始まりとされるのは前記した「涅槃」になります。「涅槃」はパーリ語の「ニッバーナ」の音写、サンスクリット語では「ニルバーナ」の事で、元々は「炎が消えて滅びた」という意味です。それが仏教が発展すると共に、より分かりやすく馴染みやすい「悟り」や「無の境地」として普及し使われていきました。

無の境地の文章・例文

例文1.20時間寝たら無の境地に達して、明日はもっと寝るので仕事をサボると固く決心してもう一度眠りについた。
例文2.これまでは新型iPhoneが発売日を迎えれば、馬鹿みたいに白Tシャツに黒ズボンを穿き腕にはアップルウォッチをつけた正装で銀座ストアの行列に並んでは時代の先端を生きていると喜んだが、ある時からそれはとても幼く幼稚どころかあまりにもダサイ行動だと恥ずかしくなり、こうして段々とアンチアップルから無の境地へと生まれ変わった。
例文3.職場では誰とも話さず、それこそ無の境地のような心理状態で仕事をこなすが、それも全て父親が社長だから誰も文句を言えないバカ息子の特権であり、俺から言わせたら社畜は金を生み出す信徒でしかない。
例文4.国葬容認派の言い分として在任期間の歴代最長があるが、それを言うと在任期間が短い総理は誰も国葬に値しないボンクラとも受け取れ、今頃は現職が自分は国葬には値しないと気付いてしまい政策運営にやる気を無くし気持ちは無の境地になってしまい残念でならない。
例文5.会社の歯車として生きていくには、感情を捨て去りそれこそ無の境地にでもならないと仕事を続けていけず、それぐらい悲惨な状況だ。
「無の境地」を使った例文となります。

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無の境地の会話例

  • 質問者アイコン

    あなたが作ったこのハンバーグはとても美味しいです。世界でいちばん美味しいハンバーグを食べられる私は幸せです。

  • 回答者アイコン

    本当に思っているの? 感情が籠ってなくて、何か頭にくるんだけど。

  • 質問者アイコン

    ごめん、今はテレビに夢中で無の境地に達していて、気持ちが入っていなかった。

  • 回答者アイコン

    じゃあ、本当はどうなの? えっ、コンビニのハンバーグ弁当の方が美味しいって…、それなら自分で作りなよ。

彼女の手作りハンバーグの味が今一つだと、彼氏が本音を語ってしまう内容です。

無の境地の類義語

「無の境地」の類義語には、「無心の境地」「無我の境地」「明鏡止水の境地」「没我の境地」などの言葉が挙げられます。

無の境地の対義語

「無の境地」の対義語には、「迷いの境地」「迷夢」「煩悩」などの言葉が挙げられます。

無の境地まとめ

「無の境地」は雑念を無くした状態に達して、仏教で言う「悟り」や「涅槃」の心持ちになった事です。様々な欲求を捨て去ると精神は落ち着き、その結果として非常にリラックスできたり自分自身を見つめ直して物事に集中出来るようになります。そんなある種の達観した状態を「無の境地」と表現します。

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