「武士の商法」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

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武士の商法(ぶしのしょうほう)

「武士の商法」とは「不慣れな商売で失敗する事」です。誰でも、これまでとまったく違った事を始めると思い通りに進めるのは難しいもので、脱サラして飲食店を始めても当初描いた売り上げを毎月クリアーするのは本当に難しく、途中で挫折するのも珍しくありません。仮にいくら才能や実力があっても、時代や運に見放されたら商売上がったりなのです。そんな事を思い浮かべてしまった「武士の商法」についての解説となります。

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武士の商法の意味とは

「武士の商法」の意味は以下の通りとなります。
(1)特権を失った士族が商売に出して失敗した事から、転じて、不慣れな商売を始めると失敗する喩え。また、商売が下手な事や今にも潰れそうな商売の事。
(2)商売を知らないものが始めても、愛想よく接客出来ないので失敗する事。
(3)「士族の商法」と同義。
明治時代初期、商売などに手を出した元武士(士族)が失敗した事を「武士の商法」(士族の商法)と言います。これまで武士は将軍や藩主に忠誠を誓う代わりに、俸禄(給料)や秩禄(年金)を貰ってきたのですが、それが明治維新によって一変して受け取れなくなりました。生活に困った元武士達は、商売などに手を出すが失敗するので、その喩えが「武士の商法」です。現在で言うなら、「モチはモチ屋」「殿様商売」「商売下手」などで、「付け焼刃」「にわか仕立」なども類語と言えるのではないでしょうか。要するに、出来ないものは出来ないので、そこには才能や根性などでは片付けられない決定的なものが欠けているのでしょう。使い方としては、「武士の商法で失敗した」「武士の商法でつぶれた」といった形になります。

武士の商法の由来

「武士の商法」の由来は、明治維新による武士の特権を廃止した「秩禄処分」が影響を与えています。これまで武士は現在の給料や年金めいたものを受け取っていたのですがそれが廃止され、”士族”という一般人的な役割が与えられました。働かないと生きていけなくなった”士族”は、事業や商売に手を出すのですが、慣れない事は上手くいかないので大勢が失敗した事から、「武士の商法」という皮肉めいた言葉が誕生しました。

武士の商法の文章・例文

例文1.コンビニオーナーを始める前は武士の商法と両親や兄弟に散々言われてきたが、これが思いの外順調にコンビニ経営がいき、今ではマイホームローンも完済し店舗を増やす予定で、順調過ぎて逆に怖いぐらいだ。
例文2.父が急逝したので事業を引き継いだが、武士の商法通りにあっという間に倒産させてしまって、墓前に顔向けできない
例文3.武士の商法で失敗させない様に奮闘したが、コロナ渦の影響も重なって力が及ばなかった。
例文4.夫婦で定食屋を始めたが、お互いに本格的な経験がない素人なのもあって売上が赤字続きで、武士の商法とは実に言い得て妙だと納得した。
例文5.武士の商法とバカにされないように、商売を始めるなら慎重に幾度もシミュレーションを重ねるべきだ。

「武士の商法」を様々な状況に用いた例文となります。

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武士の商法の会話例

  • あの話、真剣に考えてくれた?

  • えっ、冗談じゃなかったの! 本当に商売を始める気?

  • 会社でも居場所がないし…、それに俺は子供の頃からいつかは独立したいって、ずっと思っていたんだ。

  • でも、私達素人よ。このまま始めても、武士の商法であっという間にお店がつぶれると思うけど。

脱サラして商売を始めたい夫と、反対したい妻の会話やり取りです。

武士の商法の類義語

「武士の商法」の類義語には、「士族の商法」「商売下手」などの言葉が挙げられます。

武士の商法まとめ

「武士の商法」は、明治時代初期に元武士が商売を始めるも失敗する事から付けられた言葉です。そこから、現在は実際に失敗しただけでなく、商売が下手や潰れそうな場合にも喩えとして用いられます。当事者以外が使うと皮肉めいた言葉ですが、それだけ的を得ているのもまた事実です。

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