教宣(きょうせん)

「教宣」とは「教育と宣伝による労働組合などの広報活動」です。最近はあまり聞かれませんが、一昔前は企業の労働組合などが積極的に活動をしていて、その流れから「教宣」という言葉が使われる事も多かったのです。現代のニュアンスとするならPR・広報・啓蒙といった感じになるのですが、近年は宗教活動的の洗脳的な誤解もされる事から控えられているようです。

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教宣の意味とは

「教宣」の意味は以下の通りとなります。
 (1)労働組合や政党の活動における教育と宣伝を合わせた言葉。
 (2)自らの主張を浸透させる目的から、教育や宣伝を通して大勢に理解してもらうPR活動。
”教”は「教育の略語」、”宣”は「宣伝の略」からなる言葉が「教宣」で「教宣活動」にもなります。これは主に労働組合や政党が自らの主張を広く普及させる目的から、教育と同時に宣伝効果も期待して行われます。具体的には昔なら最も有名な方法がビラ配りで、大企業や工場では労働組合が通勤通学の時間帯を狙って社員にビラを配布していたのです。同じ事は大学構内でもよくあり、時には違法と訴えられる事もありましたが、不特定多数をターゲットにこちらの考えを理解してもらうには効果的だったのです。他にも講演活動や広報誌やホームページを作成したりと方法はいくつもありますが、教育と宣伝としながらも実態は「扇動」を促す危険な存在という扱いにされる事も多いのが実情です。その理由としてカルト的な宗教団体が信者獲得や入信者の信仰を高める目的で「宣教」を使う事も多く、そのような理由から現在はあまり歓迎されず使われなくなっている言葉でもあります。

教宣の由来

「教宣」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては小説家・大原富枝の著書「ひとつの青春」(1967年)などに文言が記されています。

教宣の文章・例文

例文1.祖父は社会主義に憧れ学生時代は教宣活動に明け暮れたそうだが、その話を聞かされても現代の日本の若者は共感ができない。
例文2.会社の教宣部長に就任したが、具体的にやる事は何もなく毎日机に座りお茶を飲んで定時で帰宅するのをただ繰り返している。
例文3.同じ派閥内でやる教宣ほど無意味な事はなく、そんな事をしなくても全員が同じ意見なのに敢えて会合を開いては食事会として豪華な食事を満喫する。
例文4.政権や保守派のコメンテーターがテレビ出演すると、また教宣が始まると嫌気がするのでチャンネルを変える。
例文5.駅前で社会をよくしようとマイク片手に社会の不平等を訴え教宣活動をしていたら高校生の娘に見つかってしまい、それ以来一言も口をきいてくれなくなった。
「教宣」を使った例文となります。

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教宣の会話例

  • 質問者アイコン

    今日は職場の人とランチをするんだけど…。

  • 回答者アイコン

    いいじゃない。それがどうしたの?

  • 質問者アイコン

    その人はゴリゴリの労働組合の人で、多分今日は教宣されるだけだと思うんだよ。憂鬱だー。

  • 回答者アイコン

    それなら断ればいいじゃない…、ってそう物事は簡単じゃないのよね。

夫が妻に仕事の愚痴を吐露する会話です。

教宣の類義語

「教宣」の類義語には、「広報活動」「啓蒙」「キャンペーン」「拡散」「啓発」などの言葉が挙げられます。

教宣の対義語

「教宣」の対義語はありません。”補足”として”教育”の対義語は「非教育」「反教育」、”宣伝”の対義語は「逆宣伝」などの言葉が挙げられます。

教宣まとめ

「教宣」は労働組合や政党などが行う教育と宣伝の活動です。こちらの考えや主張を理解してもらう目的から企業や大学内でビラ配りなどをして、本来なら労働組合が社員の権利や働き方を守るという役割でしたが、時代の流れと共にビラ配りも少なくなり目に見える活動としての「教宣」があまり行われなくなっています。

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