多勢に無勢(たぜいにぶぜい)

多勢に無勢(たぜいにぶぜい)とは、日本語の慣用句の一つです。映画や小説・ドラマなど、戦いのシーンがある作品ではよく聞く言葉かもしれません。日常生活でも、特に意見の対立やスポーツなどで使うことのできる言葉です。この記事では多勢に無勢の意味・由来・例文・会話例などをまとめていきます。

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多勢に無勢の意味とは

多勢に無勢は「人数差・勢力差があまりにも大きく、太刀打ちできない」という意味です。少しの差ではなく、数を見るだけで「戦っても負ける」と思うほどまでに圧倒的なリードを相手に許している状態を意味します。
勢という言葉は通常「せい」と読むことが多いですが、この言葉の中ではどちらも「ぜい」と読みます。また、無も「む」と読むことが多いですが、ここでは「ぶ」と読みます。
「こちらは人数がいないからどうしようもない」と「無勢」の立場でネガティブに使うのが基本です。

多勢に無勢の由来

多勢に無勢の由来は昔にさかのぼります。日本では特に軍議においてよく使われていた言葉で鎌倉時代にも「あちらは大勢、こちらは無勢、到底かなうまい」というような文章があちこちに残されています。
承久の乱について書かれた「承久記」や源平の攻防を綴った「平家物語」、また「太平記」や「曽我物語」といった軍記にも同じ言葉が確認されています。
多勢が大勢と表記されていることもありますが、基本的にはこの時代が由来となり、使われてきた言葉だと言えます。

多勢に無勢の文章・例文

例文1.レッドカードをもらい、こちらは1人足りない。多勢に無勢で負けてしまった。
例文2.今までのやり方に異を唱えたが、多勢に無勢、到底踏襲路線にはかなわない
例文3.織田信長は多勢に無勢ながら、桶狭間でよく敵を破ったものだ
例文4.多勢に無勢の戦は避けた方が良い
例文5.親友もみんなあちら側につくとは。多勢に無勢でとうとう戦意喪失してしまった
多勢に無勢はややあきらめも混じった状況で使うことが多い言い回しです。

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多勢に無勢の会話例

  • 質問者アイコン

    おや、最近痩せましたか? まさかダイエット? Aさんといえば大食漢で通ってたのに。

  • 回答者アイコン

    いや、本当は食べたいんですけどね。実は家で食生活改善が流行ってまして。嫁が急に肉なし献立を作り始めたのがきっかけで、最近はめっきり焼き肉に行くこともなくなりましたよ。

  • 質問者アイコン

    あんなに食べるのが好きだったのに、急に肉なしなんて大丈夫ですか?

  • 回答者アイコン

    もちろん最初は抵抗しましたがね。ついには嫁に義父母や親せきまで嫁に加勢し始めて、もはや多勢に無勢で逆らえなくなりましたよ。

家庭でも意外と多勢に無勢の場面があるかもしれませんね。

多勢に無勢の類義語

多勢に無勢の類義語としては、「衆寡敵せず」あるいは「衆は寡に敵せず」があります。
これも少数では多数にかなわないことのたとえです。現代の若者言葉では「数の暴力」なんて言葉もあります。圧倒的多数に押しつぶされる少数派、というイメージの類義語で代用することができます。

多勢に無勢まとめ

ここまで多勢に無勢の意味や使い方を見てきました。
日常生活というよりはドラマで聞く機会が多い言葉です。通常ドラマでは少数が多数を打ち破る子も珍しくありませんが、通常多勢に無勢の場合は勝ち目がない状態を指します。無理に抵抗せず、逃げて対策を建て直すのが無難でしょう。

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