内股膏薬(うちまたごうやく)

「内股膏薬」とは「内股に塗った塗り薬が歩く度に左右の足に付く事から、自分の考えがなく周囲に合わせて動く人の喩え」です。昔は無骨で男らしい人が多かったので、確固たる決意や信念がない者は情けないと思われていたのでしょう。そんな時代背景を想像できる「内股膏薬」についての解説となります。

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内股膏薬の意味とは

「内股膏薬」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分の意見や考えがなく、その時の都合であっちについたりこっちについたりする事。
(2)内股に塗った膏薬は動く度に右足についたり左足につくので、転じて、節操がなくその時々で態度や考えを変えてしまう人の喩え。
(3)どちらにも良い顔を見せるご都合主義や媚び諂う人の事。
(4)「うちまたこうやく」とも読み、「二股膏薬」「股座膏薬」なども同義。
”内股”は「足の腿の内側」「爪先を内側に向けて歩く」「柔道の投げ技の一つ」、”膏薬”は「油などで練り合わせた外用剤」「軟膏」「漢方薬に砂糖などを加えた内服薬」で、内股に塗った薬は歩く度に右足や左足の腿にくっついてしまうので、それから自分の考えなどがなく、その場の流れに従ったり或いは権力者の機嫌を取ったり、対立する双方に良い顔をするなど都合が良く誰にも従う人を「内股膏薬」と言います。要するに即座に賛成から反対の立場を取ったり、手のひら返しが得意な人で、そんな信用できない人の喩えが「内股膏薬」です。本人としてはその場の空気に従っただけであり処世術の一つなのでしょうが、周囲からするとどうしても面白くない提灯持ちでいざという時はあてに出来ないという評価になってしまいます。

内股膏薬の由来

「内股膏薬」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては日本語をポルトガル語で解説した辞典「日葡辞書」(1603年)、劇場音楽「浄瑠璃」の「一法眼三略巻」(1731年)などに文言が記されています。

内股膏薬の文章・例文

例文1.一見すると性格が良く見える者ほど、実は内股膏薬で信用ならないのは世の中の常識だ。
例文2.多くのバラエティ番組に出演してプライベートで仲が良い芸能人を紹介するのは、傍から見ると内股膏薬をしているようにしか見えない。
例文3.食堂を経営していた父の姿はどんな客にも愛想を振りまき内股膏薬そのものだったが、大人になってみると自分も同じように振る舞っている事に気が付いたが、これが処世術なのだ。
例文4.政治家の秘書という仕事は、その時々でどんな代議士にも先生と呼び内股膏薬となって尻尾を振って愛想を振りまき諂うのだから、相当ストレスが溜まっているだろう。
例文5.日本の外交政策はアメリカに絶対服従は当然だが、中国には怯えてEUにも顔色を窺い、アフリカも無碍に出来ず、ロシアや韓国にも文句の一つも言えずと内股膏薬をしているだけにしか見えないが、これも国民を安心安全で生活させる為にやむを得ずなのだ。
日常生活から外交などでも「内股膏薬」を使った例文となります。

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内股膏薬の会話例

  • 質問者アイコン

    今日、上司に小言を言われたんだけど…。俺ってそんなに自分の考えがないかな?

  • 回答者アイコン

    もしかして、御都合主義とか言われたの?

  • 質問者アイコン

    そう。そんな感じ。上司は内股膏薬って言ったけど、俺は相手の顔色を伺い過ぎで意見を合わせすぎだって…。でも、仕方ねーだろリーマンなんだからって思ったよ、俺は。

  • 回答者アイコン

    そうよねー。あなたは悪くないわよ。でもそうとうストレス溜まっているから、明日はスーパー銭湯でも行ってリラックスしてきてよ。

帰宅した夫が上司の愚痴を妻に吐き出しています。

内股膏薬の類義語

「内股膏薬」の類義語には、「日見主義」「長いものに巻かれる」「風見鶏」「ご都合主義」「勝ち馬に乗る」などの言葉が挙げられます。

内股膏薬の対義語

「内股膏薬」の対義語は厳密にはありませんが、強いて挙げるなら「世間知らず」「攻撃的」「野心家」「強情」「反抗」などの言葉が挙げられます。

内股膏薬まとめ

「内股膏薬」は自分の考えや信念などはなく、その場の流れに乗じてあっちについたりこっちについたりする事です。良い状況に乗るのは処世術として優れているのですが、そんな調子良い生き方は時として知らずに敵を作ってしまうので、度が過ぎると嫌な奴と思われてしまいます。

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